上尾市西貝塚環境センターの入札に関する第三者調査委員会から調査報告書を受領しましたのでお知らせします秘書政策課
事件等の概要
平成29年10月30日、上尾市西貝塚環境センターの業務に関する入札を巡り、前市長島村穰及び元議長田中守並びに当時の明石産業(株)社長山田明らが共謀の上、秘密事項を漏らしたとして、官製談合防止法違反や公契約関係競売入札妨害の疑いで、逮捕された。
さらに、上記センター業務に関し、明石産業(株)社長と元議長はあっせん贈収賄の疑いで、また、明石産業(株)社長と前市長は受託収賄の疑いで、再逮捕、起訴されるに至り、平成30年4月までには、起訴事実すべてについて、全員有罪判決が確定した。
原因乃至問題点
1入札制度の問題
役務業務(委託業務)の予定価格の公表は、事後公表制がとられていた。明石産業(株)社長は、その情報を事前に入手し、落札を確実にしようとした。その結果、職員を巻き込む事件に発展した。
2明石産業(株)社長と元議長、前市長との癒着関係
多額の現金の授受をともなう接待が繰り返し行われ、三者による長期的、
継続的な癒着関係が生じた。
3元議長の職員人事等に対する不当な介入
明石産業(株)社長にとって不都合な職員は、元議長が前市長を通じ、その職を解くなど、不当な人事介入があった。
4議会の監視機能の欠如
三者の癒着関係は、事件発覚以前から噂されていたが、議会がしかるべき対応をした様子がない。
5元議長,前市長等政治家の政治倫理,コンプライアンスの欠如
今回の事件は、元議長と前市長の著しい政治倫理、コンプライアンスの欠如があったと言わざるを得ない。
6職員のコンプライアンスの欠如
如何に市長の指示とはいえ、不正の疑いがある指示に従うべきではなく職員のコンプライアンスの欠如の誹りは免れない。
7既存内部通報制度機能の不全
今回の事件は、違法、不正の疑いがあると職員も認識していたが、上尾市職員等の内部通報制度が有効に機能しなかった。
再発防止策の提言(対策)
1入札制度の改善
①予定価格の事前公表制、最低制限価格の算出割合の固定制の効果検証。②上尾市建設工事等の契約に係る入札参加停止等の措置要綱の厳格運用。
③上尾市建設工事等請負業者審査委員会委員に外部有識者を加える。
2政治倫理条例の制定
①政治倫理基準の明示
②資産公開制度
③政治倫理審査会の設置
④市民の審査請求権
⑤市民の問責権
3職員倫理条例の制定
①職員倫理基準の明示
②内部通報制度の見直し
③不当な要求を断れる組織体制の確立
4執務室への立ち入り制限
市議会議員等職員以外の者が執務室に立ち入ることを規程で制限する。
5面会記録作成の徹底
面会の記録の徹底と、それを補完する防犯カメラを公務の場である市長室や議長室等関係各機関に設置する。
6コンプライアンス意識の徹底
コンプライアンス意識の徹底を図り、入札や契約に特化した研修も充実させる。
7法曹有資格者の採用
違法性が懸念される事態への毅然とした対応が取れる組織体制確立のため、法曹有資格者を職員として採用する。
8公用車の適正利用
公用車の適正利用を担保するためのドライブレコーダーの設置。
9市民による監視の強化
市民の市政に対する牽制機能の向上が、再発防止に不可欠である。
市議会の傍聴などを通じて、不祥事の再発防止に努めていただきたい。
10 提言内容の定期的な評価
提言内容が着実に実行されているかを評価をする組織の設置や評価結果をホームページで公表するなど市民に適切な情報を提供する。