令和3年6月定例会可決された意見書
中国政府に対して自由、基本的人権の尊重及び法の支配が保障されるよう働きかけることを求める意見書
中国当局のウイグル人等の少数民族への抑圧、香港での人権侵害が続いている。
新疆ウイグル自治区での大規模な恣意的勾留、人権弾圧が行われていることを国際社会は深く憂慮しており、国連の人種差別撤廃委員会は、平成30年9月、中国に関する総括所見を発表し、多数のウイグル人やムスリム系住民が法的手続き無しに長期にわたって強制収容されて「再教育」が行われていることなどについて、「切実な懸念」を表明した。
本年1月19日、米国の国務長官マイク・ポンペオ氏は、中国による新疆ウイグル自治区での人権侵害を国際法上の犯罪とみなされるジェノサイド(集団虐殺)と認定した。バイデン新政権での国務長官であるアントニー・ブリンケン国務長官も、就任会見で「ジェノサイド認定に同意する」と明言している。国連人権理事会は、中国政府に対して人権活動家の拘束をやめることや、ウイグル人やチベット人、モンゴル人などの少数民族の権利を守ることを求める勧告を採択しているが、中国は態度を改めていない。
また、本年1月21日に、中国政府は「英国BBCニュースは中国国内の放送を禁止する」と発表し、人権に加えて「言論の自由」も奪われようとしている。
人権は普遍的価値にして国際社会の正当な関心事項である。中国政府は国連安全保障理事会の常任理事国という責任ある地位を占めるのであれば、国連憲章の精神にのっとり、勧告をはじめ、国際社会の声に真摯に耳を傾け、新疆ウイグル自治区の人権状況について透明性のある説明をすべきである。また、香港の「一国二制度」、「高度な自治」という約束を守り、人権状況を早急に改善すべきである。
よって、国及び政府においては、ともにG7を構成する国々が加盟する欧州議会や、米国議会等の取り組みにならって、国際社会と連携の上、中国政府に対して、生命の尊厳、自由、基本的人権の尊重、及び法の支配が中国においても保障されるように、対話を重ね働きかけることを強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
令和3年6月28日
上 尾 市 議 会
令和3年6月28日
提出者 上尾市議会議員 尾花 瑛仁(注:自民党)
賛成者 上尾市議会議員 原田 嘉明(注:自民党)
〃 〃 道下 文男(注:公明党)