「共産党の話は99.9%嘘」台湾企業家、中国から撤退
「中国進出を後悔している」。20数年前から中国広東省東莞市で、会社を経営する台湾人実業家の廖金章さんは、米政府系放送局のボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材で「後悔」を3回も口にした。
「共産党の体制がいかに人民を傷つけているかが、身に染みて分かった」という。
廖さんは今年4月、会社をたたみ台湾に戻った。中国撤退を意識し始めたのは、昨年、中国全土で相次いで起きた電力制限や停電がきっかけだという。
今年3月、上海でロックダウン(都市閉鎖)が実施された時、ついに決心がついた。「中国政府はもう救いようがない」と廖さんは嘆いた。
「景気減速がすでに深刻だったのに、上海はロックダウンに踏み切った。港では多くの船が立ち往生し、経済活動は一瞬にして止まってしまった。生活できなくなった人が大勢いた」
1980年代、海外投資に門戸を開いた中国に台湾人が殺到した。
「当時、台湾で労働者1人を雇う人件費で、中国では50人も雇えた。ライバル社がどんどん中国に進出するなか、生き残るため、中国に行くしかなかった」と振り返る。
95年に中国進出を果たした。
広東省東莞市で工場を設立し、靴やサッカーボール、化学製品などの生産を行った。当時の中国はまだ立ち遅れていたため、台湾企業家は優遇をうけていたという。
しかし、近年では状況が一変した。台湾企業の中国離れが進んだ。生産コストの高騰や地政学的な緊張、パンデミック下の厳格な感染対策などが、この「中国離れ」の波を加速させている。
台湾の対中国投資は2010年では全体の84%だったが、20年には33%にまで低下した。
(抜粋)