中国新華社通信は30日、中国共産党の江沢民・元総書記が30日、白血病による多臓器不全で死亡したと伝えた。96歳だった。15年間に渡り総書記を務めた江沢民は1999年7月20日、法輪功に対する迫害政策を決定した。中国全土規模の迫害は今もなお続いている。
中国共産党政治局常務委員だった尉健行氏のスピーチライターを務めていた王友群氏は、江沢民は、数千万人が学んだ伝統気功法・法輪功を迫害し、臓器収奪を命じるといった大罪を犯したと論じている。
「真善忍」の理念をもとにした気功修煉法・法輪功の創始者である李洪志氏は、中国大陸のみならず世界中の人々への心身の健康に貢献した。中国体育局によれば90年代後半まで数千万人が学んだ。広範囲にわたる気功法の拡がりよって、中国共産党体制の維持を恐れた江沢民は法輪功弾圧を決定した。
王友群氏によれば、江沢民は李洪志氏および法輪功を誹謗中傷するテレビ番組企画などマスメディアにネガティブキャンペーンの開始を指示した。以降、中国中央テレビや新華社通信をはじめ官製メディアによる法輪功関連報道は罵詈雑言で埋め尽くされた。
拘束や拷問といった苛烈な弾圧を正当化するための情報政策とみられている。衛星放送・新唐人テレビによる調査報道番組『偽りの火』によれば、江沢民政権は2001年冬に「天安門で焼身自殺を図った」との事件を偽装し、法輪功に対するレッテル貼りを一層強めた。
このほか江沢民は曽慶紅・元副主席に対して李洪志氏の暗殺命令を下し、国家安全部と軍参謀部による特別部隊を編成させたという。王友群氏によれば李氏の訪問した台湾、香港、カナダなどで試されたがいずれも失敗している。
臓器狩りを指示
江沢民は党地方幹部に対して、より強硬な弾圧策に踏み切らせることによって昇進を取り決めた。遼寧省大連市トップを務めた薄熙来は部下の王立軍とともに、法輪功学習者から臓器を摘出して移植手術用に利用するといった、極めて非人道的なモデルを形成した。後に「臓器狩り(Organ Harvest)」と呼ばれる。
2013年、大紀元は情報提供者から駐ドイツ中国大使館秘書官と薄熙来の会話内容を入手した。大連市長時代に臓器狩りを指揮したのは誰かとの秘書官の問いに対して「江主席だ」と薄熙来は答えている。
江政権の重鎮である羅幹、周永康、徐才厚らはこの「大連モデル」である臓器狩りを司法や武警、人民解放軍、病院、法輪功迫害専門組織「610弁公室」とともに全国規模に系統化して拡大した。
有志の国際弁護士や検察からなる第三者委員会が、人道犯罪を裁量する「民衆法定」が2019年、英ロンドンで開催された。提出書類によれば、1998年、江沢民は李嵐清・国務院副総理に対して「法輪功の評判を傷つけ、財政的に崩壊させ、肉体的に破壊」するよう求めた指令があった。
江沢民による法輪功迫害について、19人の学者、政治家、弁護士、医師、人権活動家らが専門的な見地からしたためた論文集『かつてなき邪悪な迫害』(博大出版)が詳しい。同書の編集主管を務めた国際弁護士・朱婉琪氏によると、「迫害を知らせ人類の良知を呼び起こすことで、21世紀最大の痛ましい人権災難を一刻も早く終結させる」ことを出版の目的としている。
台湾の法輪功弁護士学会は訃報を受けて声明を発表した。「過去20年間、江沢民は世界18の国で人道に対する罪により訴えらたが存命中に法の裁きを受けることはなかった。迫害政策の被害を受けたすべての人々にとって無念と言わざるを得ない。しかし、おびただしいほどの罪は歴史に克明に刻まれている」
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最終更新日
2022.12.02 13:44:15
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