「武蔵野市の子どもの権利に関する条例」 を学ぶ会さんがこのオンライン署名を開始
武蔵野市は子どもの権利条例(仮称)の制定を目指し
令和4年11月に素案を示し
令和5年2月13日に条例案を公表、
武蔵野市議会
令和5年第1回定例会に上程すると承知しております。
子どもを安心して生み育てる環境、
子どもが健全に成長する環境の整備は重要であり、
これらを推進する施策の充実は歓迎すべきものと考えます。
しかしながら、
本条例案の根拠となる
「児童(子ども)の権利条約」
を日本政府が
1994年に批准し、
2001年に神奈川県川崎市が
最初の条例を施行してから
20年以上たって、
なぜ今武蔵野市が
本条例を制定しようとするのか
立法事実が曖昧です。
また、
川崎市は
1994年に子ども議会を立ち上げた後、
市民を巻き込む議論を
約7年間200回以上にわたって重ねていた上で
条例を制定しているのに対し、
武蔵野市での議論は
限られたものにとどまると言わざるを得ません。
内容面についても、
本条例案に示された「休息する権利」については、
学校を休むことが権利となると、
子どもを学校に通わせる家庭と
子どもを受け入れる学校の双方で
混乱が予想されます。
また、本条例案では
子どもの対象を「市内在住・在学」としていますが、
市外の私立学校などに通う子どもの権利の実効性も危ぶまれます。
子どもの活動範囲は市内にとどまらず、
市外の児童生徒らと交流する機会も多くなっています。
武蔵野市の子どもと
市外の子どもで
いじめなどのトラブルが発生した場合に、
本条例案では
いかに適用されるのでしょうか。
そして予想される多様な課題に対して、
限られた子どもの権利擁護委員と相談・調査専門員が
いかに実効性をもって
子どもの立場に立って
解決に当たることができるのか
についても疑問を抱かざるを得ません。
また、障害を持つなどして
自己の主張がうまくできない子どもに対しては
一人一人に向き合った対応が一層必要でありますが、
本条例案の検討過程では
置き去りにされ、当事者の声が反映されていません。
以上のように、
素案のまま条例を制定した場合、
子どもをめぐる諸問題に
実効性をもって対処できるか疑問であり、
かえって混乱を招きかねないと危惧しております。
よりよい条例とするためには
多様な立場の子どもや保護者の意見を聞き、
一層の議論を深めることが必要だと思料します。
以上のことから、武蔵野市に対し、下記事項について陳情いたします。
1 子どもの権利条例について一層の議論を深めること。
2 令和5年第1回定例会での議決を急がず、議論の進捗次第では継続審議とすること。