F1、分裂回避へ!
先月からF1予算削減を巡って、FIA(運営団体)とFOTA(F1チーム協会)が対立していた問題で、今日、重大なニュースが入ってきた。 F1分裂は回避! FIAが改めて来季エントリーリストを発表!(25日、ISM) 現地時間(以下、現地時間)24日、FIA(国際自動車連盟)は来季のレギュレーションをめぐり対立を続けていたFOTA(フォーミュラワン・チーム・アソシエーション)と合意したことを受け、改めて2010年のエントリーリストを発表した。 現在参戦している10チームのうち、フェラーリら8チームが、今年4月にFIAが提案した年間4,000万ポンド(約57億7,000万円)のバジェットキャップ、これに伴う2段階の技術規定を含む2010年のレギュレーションに反発。18日にはFOTAが新シリーズの設立を宣言し、一気にF1分裂の懸念が高まったが、24日にフランス・パリで行なわれた世界モータースポーツ評議会(WMSC)を経て、結局FIAとFOTAは合意に至った。 FIAのプレスリリースには、新シリーズの設立はないこと、2010年のレギュレーションは、今年4月29日よりも前に同意していたものを採用すると明言された。この合意の中には、チームは2年以内に参戦コストを1990年代初頭と同じレベルまで引き下げ、自動車メーカー系チームが2010年の新規参入チームに技術提供をすることも含まれている。 自動車メーカー系チームはさらに、FIAがこのスポーツの管理組織を恒久的に担うことや、2012年までのF1選手権に向けて商業協定(コンコルド協定)を遵守し、協定が失効する前には契約を見直し、延長することでも同意したと記されている。また、全チームが1998年のコンコルド協定の改訂版を支持するとのこと。 そして、分裂危機において渦中の人物であったマックス・モズレーFIA会長が、今年10月の再選挙に出馬しないことが明記された。 なお、2010年のエントリーリストは下記の通り。現在ルノーエンジンを使用するレッドブルの来季エンジンは未定に、新規チームのカンポスは「カンポス・メタ・チーム」に名称変更されている。 チーム名 / コンストラクター名 スクーデリア・フェラーリ・マールボロ / フェラーリ ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス / マクラーレン・メルセデス BMWザウバーF1チーム / BMWザウバー ルノーF1チーム / ルノー パナソニック・トヨタ・レーシング / トヨタ スクーデリア・トーロ・ロッソ / STR TBA レッドブル・レーシング / RBR TBA AT&Tウィリアムズ / ウィリアムズ・トヨタ フォース・インディアF1チーム / フォース・インディア・メルセデス ブラウンGP F1チーム / ブラウン TBA カンポス・メタ・チーム / カンポス・コスワース マノー・グランプリ / マノー・コスワース チームUSF1 / チームUSF1・コスワース※ TBAは未発表 (引用終わり) 先日まで、予算削減などF1の将来をめぐって激しく対立していたFIAとFOTA。一時はFOTA側が新選手権立ち上げを宣言するなど(ミハエル・シューマッハーなど、新選手権立ち上げを支持する著名人まで現れた)、F1分裂は現実味を帯びてきた。それだけに今回の合意は驚天動地というべきか、F1ファンの一人として私もホッとしたというべきか・・・そんな気持ちだ。 先月15日の日記「F1、予算制限を巡って分裂の危機!」 「GP2の拡大版のようなF1は要らない」という関係者の声もあった。今回の騒動は、F1チームとしての品格、F1ドライバーとしての強さは何なのか、と考えるきっかけを与えたと思う。多数の無名チームで構成されるF1は、果たしてこれからあるべきF1の世界なのだろうか、など。 どのようにして、1990年代初頭のレベルまで引き下げられるかが、これからの焦点になるのではないか。セナ、プロスト、マンセル、ベルガーなど、個性豊かな役者がいた、濃厚なF1の世界が再来することを期待したい。