モナコGP、可夢偉が5位入賞も喜び半分
「抜けないモンテカルロ」と呼ばれてきたモナコGP(1992年のセナVSマンセルが代表例)だが、今年は様子が違った。KERSやDRSを活用することにより、あり得ない個所での追い抜きが見られた。例えば、レース序盤にサンデボーテ手前で追い抜きがあった。絶対にないと思われたポイントでの追い抜きには驚いた。 小林可夢偉は終盤4位を走っていた。終盤に入ってから事故が続発し、セーフティカーが2回も出動したのだが、そのドタバタを避けて一気に4位に浮上してきた。だが彼のすぐ後ろにはウェーバー、ハミルトンがいた。よく考えてみたら可夢偉のマシン(ザウバーC30)は、常勝軍団であるウェーバー(レッドブルRB7)、ハミルトン(マクラーレンMP4-26)と比較して圧倒的に不利だった。「4位を守ってくれ!」と思ったが、その思いも叶わず、ウェーバーに抜かれた。しかし可夢偉はハミルトンに対してはポジションを譲らなかった。 結局、可夢偉は5位でゴール。しかしそれは日本人ドライバーにとってモナコGP2回目の入賞であると同時に、日本人最高成績となった。2008年の中嶋一貴(7位)以来となる彼個人にとっても、ザウバーチームにとっても価値ある入賞となった。だが、ウェーバーに抜かれたので私の喜びやインパクトは半分くらいになってしまった。