長崎平和宣言2019
広島市、長崎市に原爆が落とされてから74年となりました。74年というと、もう「4分の3世紀」。当時の状況を知る人は、確実に少なくなっています。 「Yahoo!リアルタイム検索」でTwitterの状況を見ていたら、「長崎市長の核兵器廃絶へのメッセージが素晴らしい」という評判だったので、私も確認しました。 長崎平和宣言2019(長崎市公式ホームページ) (日本語) 原爆は「人の手」によってつくられ、「人の上」に落とされました。だからこそ「人の意志」によって、無くすことができます。そして、その意志が生まれる場所は、間違いなく、私たち一人ひとりの心の中です。 (英語) The atomic bombs were built by human hands and exploded over human heads. It follows that nuclear weapons can be eliminated by an act of human will and that the source of that will is, without question, the mind of each human being. (ドイツ語) Die Atombomben wurden von Menschenhand gebaut und sie wurden über den köpfen anderer Menschen gezündet. Das bedeutet, dass menschlicher Wille Sie auch wieder verbannen kann, und dieser Wille muss seines Ausgangspunkt im Kopf jedes Menschen haben. (オランダ語) De atoombommen zijn door mensenhanden gemaakt en zijn ontploft boven mensenhoofden. Dat betekent dat nucleaire wapens ook door een beslissing van mensen uitgeroeid kunnen worden en de bron van die beslissing is, ongetwijfeld, de geest van elk menselijk wezen. 全文紹介は上記の長崎市ホームページに譲りますが、田上富久・長崎市長は「当事者」として核兵器の情勢を確認し、毎回スピーチの内容を練っているのではと思います。調べると、市民15人(被爆者含む)による起草委員会で検討され、2か月かけて作られているそうです(平和宣言文起草委員会)。 これに対し安倍晋三首相のスピーチは、内容が広島の時とほとんど一緒。昨年のものとほとんど変わらない「コピペ文章」だったと聞いています。 また、田上市長はスピーチでこうも言っています。 「すべての国のリーダーの皆さん。被爆地を訪れ、原子雲の下で何が起こったのかを見て、聴いて、感じてください。そして、核兵器がいかに非人道的な兵器なのか、心に焼き付けてください。 核保有国のリーダーの皆さん。核拡散防止条約(NPT)は、来年、成立からちょうど50年を迎えます。核兵器をなくすことを約束し、その義務を負ったこの条約の意味を、すべての核保有国はもう一度思い出すべきです。特にアメリカとロシアには、核超大国の責任として、核兵器を大幅に削減する具体的道筋を、世界に示すことを求めます。 日本政府に訴えます。日本は今、核兵器禁止条約に背を向けています。唯一の戦争被爆国の責任として、一刻も早く核兵器禁止条約に署名、批准してください。そのためにも朝鮮半島非核化の動きを捉え、「核の傘」ではなく、「非核の傘」となる北東アジア非核兵器地帯の検討を始めてください。そして何よりも「戦争をしない」という決意を込めた日本国憲法の平和の理念の堅持と、それを世界に広げるリーダーシップを発揮することを求めます。」 今、安倍内閣は韓国に対して輸出管理強化という強硬措置をとっています。韓国に対しては強気な態度で出られるのに、なぜアメリカに対しては強気な態度で接することができないのか。日本とアメリカが立場上対等な国であるのならば、強硬な態度に出ることは難しくないはずです。 アメリカに対しても言うべきことは言うべきであり、場合によっては行動で表すべきです。それが、核兵器禁止条約への参加です。この条約は2017年7月に国連で採択されたものの、全ての核保有国が不参加。アメリカの「核の傘」にある日本、韓国、オーストラリア、ドイツなども不参加。実現への道が非常に険しい状態です。安倍首相が「未来を見通せるリーダー」と自称するのであれば、今すぐこの条約に参加し、核廃絶、そして世界平和へのリーダーシップを発揮すべきです。