講義その2)
○11.5 通信講座講義その1 貿易・ビジネス英語講義シリーズ その1
〔2つの講義: 輸出FOBと 見積もりと納期の言い方
皆様、末次通訳事務所、末次です
パソコンが調子が悪くなりまして、数日、添削や新規課題の送付が
できにくい状況になっております。
この内容のメール講義も、本来は、先月末に送付の予定でしたが、
ようやく配信します。
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○貿易・ビジネス英語講義シリーズ その1(第1回と第2回)
第2回 FOB:2つの盲点
FOB建値(建値=Trade Terms)の輸入が多いですね。
FOBは輸入者に利点多し。が2つ盲点ありです。
(1)(第1盲点)【輸出FOB保険の必要性】
FOB取引で対象貨物の「費用と責任負担」が輸出者から輸入者へ移動するのは、
当該貨物が本線の欄干(Ship’s Rail)を越えた時ですね。
この時点から輸入地の荷揚港までの費用と責任は輸入者負担です。
輸出者側工場から積荷港までの費用と責任は輸出者にあります。
工場から積荷港への輸送途中、何かの事故で商品が破損し、
商品性が失われた場合、誰の責任になるでしょう?
積荷港までの内陸輸送は輸出者の責任ですから、輸出者が商品に保険を掛ける事が必要です。
貿易取引に不慣れな企業間では、輸出国内の商品輸送に掛ける保険を知らず、
それゆえに掛け忘れてしまい、損失を招く事例が多いです。
必ず保険を掛けて貰う旨を輸出者に申し出ましょう。
でないと商品が途中「無保険状態」となり、危険です。
<<例1:輸入者⇒輸出者>>
「弊社発注分PO-SK15に関し、貴工場から積荷港の台北港への
輸送保険は貴社側で付保して下さい」
⇒Regarding our PO-SK15, we would like to request you to insure this order
for its transportation from your factory to Taipei Port, (the export
port), as you already know, for our mutual benefits.
《例2:輸出者⇒輸入者》
『貴社ご注文分ですが、弊工場から積荷港(台北港)への輸送では保険を
掛けております。ご安心下さい』
⇒Please rest assured that your order PO-SK15
is insured for any damage during its transportation from our factory to the
loading port.
上記表現はぜひ貴社にてお使い下さい。
仮に輸出者が既に保険付与の必要性を把握していても必ず上記の様に伝えましょう!
貿易英語では【執拗に相手側に確認を行う】が取引成功の秘訣。上の表現はぜひ貴社にてお使い下さい
(2)輸出者への船舶/保険手配の依頼
第2盲点:【輸出国現地での船/保険の手配が自国からは難しく、
輸出者にこの手配を任せたいとの場合があります。
この場合、当該手配(依頼)はインコタームズのFOB条件の例外になりますので、
売買契約書にこの旨を記載、または事前にこの旨の合意を得る事が必要です。
さて皆様はどの様に英語で書きますか?宿題です。
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○第1回 「見積と納期の英語表現」
とりわけ2011年の震災後、最近まで
円高が続き、震災の影響もあり、原材料や商材の輸入を検討/開始する企業が多いですね。
初めて貿易取引を行う場合には、英語の類似表現に起因する失敗が多いです。
1>「価格見積」は[Price Estimate]や[Price Quotation]です。
Our price quotation is~と表現すると、提示した価格はもはや変更できません。
これで失敗をする方が多いです。
Our price estimate is~とすると、これは「概算で大体の価格」ですから、
最終価格を再度提示可能です。
Price Quotationは最終の決定価格です。
仕入先に価格を尋ねる場合、Could you quote the price of 商品名 for 1000
units?
[=当該商品1000個の決定価格をお見積り下さい]と打診しましょう!
この表現の方が相手方とコントロールできます。
逆に皆様が、価格を提示する場合は、estimateを使い、
[Our price estimate is @US$50.00.]と云うと、何らかの条件や事情による価格変更の
含みを残せて、条件の交渉を遂行できます。勿論これは色々な状況次第ですが。
2>「納期」表現も要注意。
一部の辞書では「納期」を[lead-time]と記しています。
が、lead-timeは「納期」でなく、「商品受注日から製造完了迄の期間」ですね。
【lead-time】は、ビジネス人がよく使う「納期」の意味ではありませんね
[Please advise us the lead-time of our order?]と表現しても、
直接に、「納期」を言及していません。
貿易業務で「納期」を尋ねる際は、皆様が用いる「建値」別に云います:
a)Ex-Works /C&I/FOBの場合:Exactly when are you going to ship our order? :
b)CIFの場合:Exactly when will our order arrive at Hakata Port?と表現しましょう!
a)では、輸送の手配は輸入者側の担当ですから、「いつ出荷するか?」を明確に尋ね、
b)では、輸送も輸出側の担当なので、「いつ陸揚港に到着するか?」を尋ねると良いです。
a/bのいずれもexactlyを使います。
「正確な時期」を尋ねる事で相手方を業務義務に縛っています。
英語を上手く使って、相手側を巧みにコントロールする事が貿易英語です。
「貿易英語の目的」とは「海外のお客様とより良いお取引を実施する事」です。
その為には相手側を上手くコントロールする事です。
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不明箇所やお尋ねは何なりとどうぞ
=末次商店=<兵法・通翻訳二刀一流>末次通訳事務所 末次賢治拝
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最終更新日
2013年11月08日 09時59分57秒