皆様、お元氣さまです、一昨日の電子メール配信にありました通り
5か月かかった翻訳も終え、今度、通信講座の展開を充実させます
第4回 : クレーム電話への対応
皆さま、仕事中に突然海外取引先から、やや怒りの調子でクレームの電話がかかってきたらどうしますか?
普段から備えがありますか?
貿易取引の中で避けられない業務が、海外企業へのクレーム申し入れと海外企業からクレーム対応です。
こうしたクレームや色々な問題が後々発生しないようにするには、
前回強調しましたが取引相手側と執拗にコレポンをしていく事が求められます。
海外から クレーム電話:英語が堪能な社員につなぐため相手を待たせる・担当部署に電話を
たらい回しにする等が日本の企業には多いですが
この対応ですと更に相手を怒らせ、問題がこじれます。クレーム申し立て側を決して待たせてはなりません。
迅速対応が解決の第一のカギです。クレーム電話の相手は感情的になっていて、
相手の早口英語が聞き取れない事がよくあります。
英語の得意不得意/出来不出来に拘らず、
少なくとも相手側の「社名」「氏名」「どこの国」「電話番号」「電子メール送付依頼」はサッと言えるように日常から備えて、
1)メモに英文を書き留めて2)電話そばに置いておき、3)その英文を言う練習を何度もし、
4)暗記しましょう。自分の質問事項を暗記しておけば、
それだけ他の事項を言う・聴く事に集中できるものです。
上記の質問をし、早急に折り返し対応しましょう。この工程をきちんと踏みましょう
クレーム電話対応の要点:
1)最初にきちんとお詫びをする、2)相手側言い分をよく聴く
3)簡単に非を認めない、4)相手側に感謝する事です。
1)と3)は矛盾に見えますが、1)「最初に、手を煩わせた事にお詫びをし誠意を示します」と
3)「対象問題点をよく調べるので時間を頂きたい」旨を相手に伝えます。
1) We are sincerely so sorry for such inconvenience we happened to cause to yo u.
「happened to cause to you」がミソ。「今回たまたま不便をお掛けした」の意で、問題発生の常習性を否定した言い方です。
対象問題点に付いては、
Please allow us to have enough time to confirm the alleged problem before we report to you on this matter. と伝え
状況把握を開始しましょう!
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第8回 : 貿易英語ひとくちメモ
クレーム対応① 「不良品」の言い方
末次通訳事務所 代表
末 次 賢 治
海外企業との貿易取引では想定外の問題発生が付きもの。
海外企業/消費者からの貴社への苦情やクレーム申し立てもその1つです。
当連載・第4回で、「海外からのクレーム電話への対処法」を扱いました。
今回はコレポンでの対応見本です。「不良品」の表現例です:
お客様からのクレームや苦情の場合、
①まず、不便を掛けた事をお客様に誠実に詫び、
②問題の調査をする為、時間を頂きます。例えば、いわゆる「お客様側が主張する【不良品】を返送して貰い、
③あらゆる問題を分析します。
④その上で、本格的な対処を行います。クレーム事項に対して、
貴社に非がある場合やお客様側に責任がある場合もあります。
これを見極めて冷静かつ誠意を以って対応します。
さて、部品納入先の米国企業から
<先週納入分の部品に6個不良がある。至急、良品と交換して欲しい>とのemailが貴社へ入りました。
そこで、あなたの上司から<次の原稿を英訳し、当該米企業に返信を>と指示がありました:
「本日のご連絡痛み入ります。不良部品の6個発生の件、誠に申し訳ございません。
早速、良品6個を手配し、貴社に送付します。」
皆様はこれをどう英語で表現しますか?
特に下線箇所の英訳が貴社の命運を分けます。
相手から「不良部品」と指摘があっても、
貴社の落ち度による不良部品かどうか調査が必要ですから、
この最初の段階で、【defective parts】 と決して言ってはなりません。
最初から貴社から【defective parts】 と言ってしまえば、貴社は不良品発生を認めている事になります。
この問題が法的係争になった場合、「貴社は最初から【defective parts】と表現しており、
不良発生を既に言葉の 上でも認めている」と米企業から言質を取られ、貴社は不利になります。
下線部は次の通り:
We’re sincerely so sorry for the inconvenience caused by the six parts which were not up to your expectation. と書きます。
「貴社期待に沿ってはいなかった部品」と表現し、
were (過去形)にします。過去形を使い、この問題をあくまで過去化してしまい、
今現在へ継続する問題ではないとの感じを恣意的に示します。
これが、リスク回避目的で英語を使う心得です。
末次通訳事務所・末次賢治拝
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最終更新日
2016年10月12日 08時17分08秒