第6回 : 貿易英語ひとくちメモ 英文の「副詞」を的確に読み取ろう!
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文責:末次通訳事務所 代表 末 次 賢 治
海外企業との貿易では、お互いに英語で通信します。
そこで重要になるのは、あなたの「英語の理解力」です。
正しく英語を読み取る力がないと、海外企業の意図が掴めず、精確な対応できなくなり、
海外ビジネスで失敗しがちです。
あなたの英語理解力はどの程度でしょう?
実例1:海外企業に、貴社が自社製品の売込をし、
ある日、次の様な回答が届きました。どのような意味でしょう ?
【We are sorry that we cannot sell your offered product economically,
even though your product is very innovative.】
先方の意図をサッと正しく掴むには、英語の「副詞」を的確に読み取る必要があります。
「残念ですが、当社では貴社ご提示の商材をお客様にお手頃な価格では販売出来かねます。
貴社商材はとても画期的なものではありますけれども」の意。
上の英文の economicallyが副詞で、動詞句の[cannot sell]の様子を詳しく説明する役割です。
この場合、[お客様にお手頃なお値段で]の意で、これが先方の本音。
つまり、「貴社の提示価格が高すぎて、販売すら出来ない」の見解です。
海外とのビジネス通信では、英語の「副詞」は無視できない存在です。
発言/発信者は「副詞」に、自分の感情や本音を込めるからです。
副詞をきちっと読み取る事が、相手の心境を把握する事に繋がり、
良い海外お取引に結実します。
実例2:貴社が納品した商材への苦情英文:
【We are sorry to have to inform you that
Sports Bags (our Order No.SB-2) that were
delivered is not up to the samples we received
on July 15. On comparing the sample bags,
we were unpleasantly surprised to discover
that the bags are not the same high quality.】
下線unpleasantlyが副詞。
surprisedの程度を表します。
『7/15受領のサンプル品とは、商材の品質が違う事にびっくりし、
【不快に感じ】ている』のです。
貴社姿勢に、先方は不快であると読み取れます。
ゆえに誠意を尽くし丁重に対応する必要があります。
副詞 unpleasantlyを軽視して理解すると、謝罪に誠実さが反映されない場合があり、
却って貴社の損失が増します。
英文の「副詞」にどうぞご留意下さい。