【故人は過去形】語法と
「◎年前に~~した事がある」も過去形と
【続・仮定法講義a】
嘉穂高3年生が「日本語⇒英語訳の課題」として嘉穂高校から
資料が渡されている、
『ドラゴン・イングリッシュ』の第18課題文は、
【10代の頃に、父の仕事の関係で、
カナダに3年間住んでいた事があります。】
★この手のセリフを英語で言う場合は、
日本語の「~していた事があります」に釣られてはいけません。
(てか、日本語の情報は信用できません)
※プロ英語通訳翻訳者のわたしは、日本語のセリフを
全く信頼しておりません。論理的にいい加減なモノであるからです
この手のセリフは、絶対に過去形しか使えません
当該書籍にも解説がありますが、
「自分が10代の頃」ってのは、以前の事ですね
つまり、過去の事です。
★情報に「過去の時間」が入れば、全て普通の過去形を使います。
I lived in Canada for three years in my teens due to my father's business/ because of my father's job.となります
【5年前にロンドンに行ったことがあります」
これは「5年前」とありますので、
「行った事があります」に惑わされずに
I visited London 5 years ago. で良いです
×I have visited London 5 years ago.は間違いです。
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★故人の事は過去形
これと関連して、「故人」の事を云う場合は、普通の過去形しか使えません、 と云う事を覚えておきましょう。
【徳川家康は飯塚に来たことがありません】
これを
Ieyasu has never visited Iizuka.という人が多いです。
うっかり英語の先生方もこのように云ってしまう方が多いのですが、
has never でしたら、hasが現在形ですから、家康公はまだ生きている事になります。
ですから、理屈上も、
Ieyasu never visited Iizuka. が正しいです。
『【故人】は過去形を使います』
「◎◎年前/◎か月前、自分は~したことがある」も過去形です
例えば、5分前に他界された方の事も、その人の業績とか経歴などを
云う場合は、過去形を使います。もう亡くっていて生きていないので、
現在形は決して使いません。
例)にして悪いとばってんがですね、
「上島竜平ちゃんは、志村けんさんと飲み会をした事があります。」
とか、
「亡くなった俺のおやじは、プロ野球の西鉄にスカウトされたことがあります(是は実話)」 も英語で言う場合は過去形です
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そこで 2009年のセンター試験より
金曜日の「難関大向英語クラス」の初回で
取り上げましたね。
添付の写真の人は、 物理学者のアインシュタイン(Albert Einstein)先生です。
【相対性理論=The Theory of Relativity】を考案した方ですね
アインシュタイン先生の事は、大学のセンター試験でも度々出されたことがあります
★先にこの「語法問題」を出しましょう
Tom: ”Did you know that Albert Einstein,
the famous physicist, ( ) meat?”
Ken :”Yes, if my memory serves, he became a strict
vegetarian oneyear before he died.”
選択肢は次の4つ
(1) hadn’t stopped eating
(2) has been stopped from eating
(3) has stopped eating
(4) stopped eating
★英語の時間の使い方で、「故人」の事を云う場合は、
単純な過去形です。単なる過去形しか使えません。
英語は1秒前に発生した事を云う場合は、もう「過去形」です
ですから、故人、以前に亡くなった人、もっと言えば、いま、
1分前に亡くなった方の事を云う場合、過去形を使います
従って、答えは、(4)の stopped eatingですね
(平成21年度 本試験 第2問 A 問1)
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★さて、仮定法です。
次のセリフは、実際のアインシュタイン先生の生前時の発言です
① If I were not a physicist, I would probably be a musician.
②I often think in music. ③I live my daydreams in music.
④I see my life in terms of music.”
①は仮定法で、
【もし自分が物理学者でなければ(物理学者でなかったら)、
(今頃は) きっと音楽家になっているでしょう!】
アインシュタイン先生は実際に物理学者ですから、
<もし自分が今の職業(研究者)でなかったら>、
今の現実/事実の事を、仮定法で、逆説的に言っています。
If I were が、ありえない組み合わせですね
普通は、I に対しては、was なのですが、
If I were で、「ありえない組み合わせ」→だから、
【仮定の話なんですよ】と示唆しています。
★②③④については、動詞が 「現在形」ですね
現在形というのは、「実際行っている」事、もっというと
「普段からしている実際の事」ですね
例えば、
I get up at six every morning.は、
訳としては、
×私は毎朝6時に起きる でなくて、
◎【俺ね、毎朝6時に起きているんですよ】 とか
Birds sing. ×鳥は歌う、とかでなくて、
◎いろいろな鳥はね、いつもピーチクパーチクとさえずるものですよ。
という風な情報(日本語訳)です
ですから、②③④は、
[自分は普段から音楽を聴きながら②考え事をし、
③空想をし、4自分の人生や生活を音楽に例えて考えているんだよね」の意味合いです
・現在形→普段の事、事実、必ずそうする事
・仮定法は、もし現実と違う場合は~するであろう、という事
(実際はそうじゃない)とのこと
If I were not a physician。とは、
実際には、物理学者です、という事です
一昨年当時高1年生(いまの高3年生)のHクラスの皆さんには、
ヘレンケラーのエッセイ 「If I had three days to see」を音読していましたね
再度、難関クラスで取り扱いますが、
★If I were the president of a university,~
もし、自分がどこかの大学の学長であるならば、
(実際には、学長ではない)となります。
If I am the president of a university,
でしたら、今は大学学長ではないが、
今後、学長になれる可能性が十分にあります、という事を
前提にしています。お判りでしょうか?
質問は何でもして下さい。
英語を真に理解するには大切なところです
飯塚セミナー英語講師の末次通訳事務所拝 May 15/2022