元気ハツラツ爺さんの四方山話

今日は阪神の話題には触れません。

味噌煮込みの具にされてしまいました・・・


昨日、
暑い中お墓参り（ご先祖様のお迎え）に行って来ました。
その帰りに・・・
暑い・・・暑い炎天下

国道で１９歳の小坊主を拾いました・・・

小坊主は沢山の荷物を積んだ自転車を歩道に倒し、
休業中の建設会社の駐車場の木陰に大の字で寝転んでいました。

妻が見つけ、どこか具合でも悪いのではないか？と言うので・・・

車をその駐車場に入れ、私が下りて行くと・・・

小坊主は、頭を上げ・・・座ろうとするのだが、
中々身体を起こすことが出来ずにいた。

「どないしたんや、しんどいんか？」と訊ねても口さえ開けない。

妻が、墓参りは暑いだろうと・・・
クーラーボックスに入れて持って来ていた、
冷たく氷で冷やした濡れタオルと、冷たいお茶を差し出すと・・・

お茶をガブガブ飲み・・・
ひと心地ついたようで、タオルで顔や頭を拭きやっと喋りだした。

小坊主は神奈川の実家から自転車で京都を回り奈良に来たらしいのだが・・・

昨日の夜中（今日からだと一昨日）京都から奈良に向っている途中・・・
コンビニで買物をしようと、ウエストポーチを見ると、
入れていた筈の、財布と携帯電話が無くなっていたというのだ。

毎日、昼間は暑いので・・・
朝から昼にかけて名所、旧跡を訪ね、
その後、昼の２時、３時の一番暑い時間帯からは・・・
銭湯や健康ランドのような所で休息をとり、
夜中から朝方にかけて自転車を漕いでいたと言う
その日も宇治の健康ランドを出てから、奈良に入って気付いたと言う・・・

財布には、
有り金全部と銀行のキャッシュカード、クレジットカード等が入っていたらしい。

で・・・
とにかく暑いので、近くのレストランに連れて行き詳しい話しを聞く事にした。

それは・・・
レストランに入り、小坊主はとにかく腹を満たす為に食事を摂らせ・・・
私達夫婦は水分補給をしながら・・・
小坊主の話しを聞き、これからどうしたいのか聞きたいと思っていたのだが・・・

小坊主は席に着くなり、
荷物の中から自分の学生証と父親の名刺を取り出し、
怪しい者で無い事を訴えてきた・・・

私は、そんな事どうでもよかったし、それを見せられる事で余計に興ざめしてしまった。

小坊主がどこの誰であっても、外国人であっても犯罪者であっても・・・
私は同じ事をするし、同じように接する・・・

それよりも、
今からまだ旅を続ける気持ちが、在るのか無いのかだ・・・

この挫折でもう旅は止めだと言うのであれば、
帰りの旅費を出してやるつもりであったし・・・

イヤ、まだ旅を続けたいと言うなら、このまま旅を続けて欲しい・・・
その為の援助もしてやるつもりでいた。

しかし・・・
その次に出てきた言葉が、携帯電話貸して下さい・・・と、

妻が自分の携帯電話を差し出すと・・・
自宅に電話をし・・・金のむしんである。

日曜日であるし、銀行のキャッシュカードも亡くしている為、
どうする事も出来ないので・・・
私に電話を代われと言う事らしいので代わると・・・

電話口の向こうでは、中年の女性がひとり喋り出して止まらない・・・

自分の住所や電話番号、主人の会社での地位や、
そして、この小坊主の事を・・・

大学受験の為、一生懸命頑張って念願の国立大学へ入る事が出来たので・・・
今年の夏休みは自由にさせてやろうと・・・
始めて独りで挑んだ冒険旅行だったらしいが、こんな結果になってしまったのは
自分のせいだ、お父さんに何と言ったら・・・

とにかく、早く帰らせたいから、お金を貸して欲しいと言うのだ・・・
明日、月曜日朝一番でお金は振り込むから、
直ぐに近くの駅から電車に乗せてやって欲しいと願うのだ・・・

しかし、本人は黙って飯にも手を付けようとはしないでいるのだ。

電話を切ってから、小坊主にどうしたいのかを聞いた・・・のだが

母親が帰って来いと言うので帰るしかない、と言う返事を繰り返すのみであった。

私は釈然としない気持ちを抱えながら、京都駅まで送り新幹線に乗せ帰した。

夜遅く、
妻の携帯電話に、無事帰りましたとお母さんからお礼の電話が入り
お金の振込み先を教えて欲しいとの事でしたが・・・

自宅の住所だけ教え、
小坊主が就職して自分で稼いだお金で返して欲しいと伝えた・・・

そして、これに懲りず来年も再来年も旅を続けて欲しい・・・と。


ただ、爺さんはね、旅を続けてほしかったんだよ・・・

旅（人生）は色々なトラブルはつきもので、
そのトラブルを自分の力で克服し・・・
それが頭を下げることであっても、カッコ悪い事であっても・・・いいんだよね
今回は、お母さんに続けさせて下さいと頼むか・・・
他人であっても、この爺さんに頼るかで続ける事が出来たはずなんだよナ

旅（人生）はそんな甘くはないかもしれないけど・・・
若いうちは、肩をつっぱらず、色んな人の意見を聞きながら・・・
自分で判断し・・・体験し・・・旅（人生）を楽しんで欲しいものだ