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カテゴリ:原発
途中で、再処理工場の従業員が出てきたり、賛成派の御用学者が持論を滔々と述べ立てたりで、これって、もしかして、原発PR映画という展開になりかかったものの、さすがベテランドキュメンタリー作家、再処理工場の危険性とその危険性の中で生活せざるを得ない人々の葛藤を手堅くまとめていた。 上映会の後の、物理学者広瀬立成氏との対談で、鎌仲監督は2個の劣化ウラン弾を手に取り、「私をこの六ヶ所村ラプソディー製作に駆り立てたのは、劣化ウラン弾だ」と熱く語った。 「私はイラクでガンや白血病になった子供たちと出会った。湾岸戦争で劣化ウラン弾が使われてから、ガンの発症率が上がり続けている。しかし、病気と劣化ウラン弾との関係は未だ医学的に因果関係が証明されていない。子供たちが病気になり続け、死に続けている現場から前作,『ヒバクシャー世界の終わりに』は始まった。身体の中に放射性物質を取り込んだ現代のヒバクシャに出会う旅の終着点は私たちの足元、六ヶ所村だった。劣化ウラン弾は原子力産業から出てくる廃棄物から作られている。核の平和利用の副産物なのだ。」 日本中の原発から集められた使用済み核燃料は、ここ再処理工場で猛毒のプルトニウムとなる。 プルトニウムは高速増殖炉の燃料として使われるのだが、技術的にも高速増殖炉の運転は極めて困難であるとして、世界の国々はすでにこの分野からは撤退してしまっている。 日本が世界のレベルをはるかに越えた一流の原発技術を持っているというのならともかく、日本のレベルはせいぜい2流の上程度でしかない。 したがって、世界の超一流核大国が撤退した技術を日本が実用化出来る可能性は、今日においても勿論未来においても全くない。 夢の燃料として呼び声の高かったはずのプルトニウムは、再処理工場でいくら作ったところでいく当てのない、只の厄介物でしかない。 しかも猛毒の厄介物である。 この猛毒の厄介物を作るためにすでに多額の経費が無駄に投入されている。 使い道は、唯一核兵器だけである。 再処理工場は、原発1基が1年間に排出する放射性物質をわずか1日で吐き出す。 しかも、これが再処理工場が稼動を始めた瞬間から毎日続くのだ。 使い道のない猛毒のプルトニウムを作るため、原発1年分の放射性物質を毎日吐き出し、六ヶ所の大地と海と空とを汚し、人々の健康を蝕み続けるということは、商業活動とは全く無縁の純然たる犯罪でしかない。 電力会社・原発メーカーの利益のために、犯罪行為に手を貸す愚劣な電力行政は、彼らとともに裁かれねばならない。 電力会社・原発メーカー・電力行政の利権のために 青森を核のゴミ捨て場にするな! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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