「第3次石油危機」到来か 08年のIEA見通し
最近の原油価格急騰の影響で、世界全体の国内総生産(GDP)総額に対する原油購入費の割合が上昇し、2008年は第2次石油危機時の水準に迫る見通しであることが12日、国際エネルギー機関(IEA)の試算で分かった。IEAの田中伸男事務局長は「世界は第3次石油危機と言える」と懸念を表明、産油国の生産力増強などが必要との考えを示した。
IEAは、原油高が世界経済に与える影響を判断する指標として、GDPに対する原油購入費の割合を算出している。08年は6・0%と、07年の4・2%から1・8ポイントの大幅上昇となる見通し。第1次石油危機時の1974年(3・8%)を大きく上回り、過去最高だった第2次危機時の80年(7・3%)に近い水準となる。
原油購入費の割合が上昇したのは、原油価格が経済成長より速いペースで上昇しているためだ。家計や企業の負担が増加し、物価上昇につながるなど、経済に悪影響を与える恐れがある。田中事務局長は「資源が乏しい途上国への影響は特に深刻だ」と語った。
2008/06/12 19:47 【共同通信】
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