|
カテゴリ:戦争
当地では日中37度を越えた。 恐らく、63年前の1945年8月15日も今日同様極めて暑い1日だった思う。 この敗戦記念日8月15日を未だに終戦記念日などと表現しているが、どうみても刀折れ矢尽きた末の100%の敗戦であり、講和成立しての終戦などというイメージには程遠い。 さて当欄で取り上げる映画「日本の一番長い日」は1967年に岡本喜八監督により作られた作品である。 出演者は、山村聡、三船敏郎、志村喬、高橋悦史、黒沢年男などのそうそうたるメンバーであるが、製作年度が古いだけあって殆んどの人が亡くなっている。 この映画は、当時、実際に発生した近衛師団と陸軍省幹部によるクーデター未遂事件を題材にしたものである。 御前会議で連合国側のポツダム宣言を受け入れる事を決定し、無条件全面降伏を内外に表明すべく録音された天皇による降伏宣言レコード「玉音盤」を奪取してまで戦争を継続し、本土決戦を図ろうとする一部の陸軍将校による例のごとくの暴走ぶりを描写している。 今ではすっかり爺さんになってしまっているが、まだ当時若かった黒沢年男の陸軍省軍事課員・畑中少佐の狂気ぶりの名演にいささか気持ち悪さを感じてしまった。 1942年6月5日のミッドウエイ海戦において主力の正規空母4隻を全て喪失し、近代戦をやり遂げる戦力を、精神的にも軍事的にも失ってしまった海軍は、己の無能さを兵士におしつけるべく殆んど効果のない特攻に狂奔するのだが、それは陸軍も同様であった。 いずれにせよ、2000万人特攻・本土決戦なる国家標語は、天皇制という国体を護持するためにはいかなる犠牲を国民に強制することをも厭わないという強烈な国家権力の意思表示であり、一人、狂気の畑中少佐だけのものではなかったのである。 そして、今この狂気が、ファシストにより純粋培養された安倍の手により国民投票として蘇ろうとしている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[戦争] カテゴリの最新記事
|