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カテゴリ:戦争
昨年夏に、高校の修学旅行以来何十年ぶりかで宮島を訪れた。
この絵葉書が1932年のものだから、70年以上経過しているにもかかわらず厳島神社はその頃とほとんど変わった様子はなかった。 写真の客船は大阪商船の「りおでじゃねろ丸」で総トン数は9627トン。 戦前には南米航路の花形客船として活躍し、最盛期には1000名もの移民を南米に運んだ。 その後、日本海軍に徴用され1940年には特設潜水母艦に改装されたが、敗色が濃厚となった1944年には、潜水艦の作戦行動も困難になったため、さらに海軍輸送船に転用された。 同年2月17日米軍艦載機による大空襲を受け、半日間燃え続けたのちにトラック島で沈没した。 今では、その残骸はダイビングスポットとして賑わっているようだ。 しかし、多数の乗組員が涙を飲んで船と運命をともにした、いわば彼らの墓所が観光名所として有名になることには違和感を感じざるを得ない。 南太平洋海域には、こういった沈没船が4000隻もあるとか、しかもそのうちの83%に当たる3300隻が日本船籍とのことだ。 日米戦がいかに熾烈に戦われたか、そしてその戦いが日本にとって極めて分が悪かった事が、この沈没船の数からだけでも容易に想像がつく。 いずれにせよ、沈没船の船体が戦後60年以上経過して腐食が進行したため、燃料が流出し周囲の環境を汚染しつつあるようだ。 沈めたアメリカが悪いのか沈められた日本が悪いのか、早急な対策が必要ではあるまいか。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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