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テーマ:たわごと(26898)
カテゴリ:つぶやき
レディースデーだというのに、ヒッキー気味のわたくしです。
実は、昨日からマシュー(あだ名の由来は⇒バーディ参照) の中学生初めての中間試験の為、帰宅が早いという事もあり 自宅待機です。 という訳で・・ブルンボヨヨンさんのリクエストにお答えして ハートウォーミングホラー(ブルンさん命名) 姉にまつわるちょっと怖い話第2弾いってみま~す。 第1弾は →こちら エピソード1 カレーパン エピソード2 翼が生えた時 姉が中学生だった頃、とても憧れていた男の子がいた。 K君はサッカー部に所属していて、さわやかな笑顔の似合う 素敵なスポーツマンっていう容貌だった。 しかし、意外と奥手な姉は村下孝三っぽい世界に浸り気味で、 放課後のサッカー部の練習を、教室の窓から眺める事で K君への想いを自分の中に留めていたようだ。 ある時、いつものように教室からサッカー部の練習を 眺めていると、ふとK君の机が気になり、初恋の女の子 のお決まりの行動・・。彼の机に腰掛け、なんとなく K君が近くにいる存在感に浸っていたらしい。 その時、机の上になぐり書きにされた、1編のポエムに 気付いた。どうやらK君が書いたらしい。 「足があるのに走らない俺には、翼なんか生えやしない!」 姉のK君への想いが深くなったのは、言うまでもない。 スポーツマンとポエム。この取り合わせに、K君の見かけ とは違う繊細さに心打たれた瞬間。 しかし、村下孝三の世界から卒業できなかった姉は 想いを胸に秘めたまま中学校を卒業したのだった。 姉は女子高へ、K君は男子校へ・・・ 時は過ぎ、姉が高校2年生の頃、 学校の帰り道、行きつけのレコード店で洋楽の レコードを物色中の姉。 昔のLPレコードは、今のCDとは違い、後ろの方から 一枚ずつ引き出し、リズミカルに前の方へその手を スライドさせていき、お気に入りのLPを探すという 方法がツウだった。 なのでLPレコードを探している時は、真剣なので ある。周りも見えない程忙しい。 一列目が終わり、お目あてのLPがなく、ため息と 共に視線を上げた瞬間・・K君と目があったのだ。 LPレコードのチェストの反対側、姉のちょうど 正面にK君が立っていた。 久しぶりの再会。再会の嬉しさと恥ずかしさからか しばし声がかけられない姉。 少し寂しい目をしたK君。なぜか声がかけられない。 一瞬下を向き、呼吸を整え、もう一度視線をあげた 瞬間、K君は消えていた。 夜の12時頃になり、姉の元へ友人からの電話。 K君がバイクの事故で亡くなったと。即死だった。 事故にあった時間はそう、あのレコード店にいた時間。 あの時、K君に翼が生えて、姉のところに 会いに来てくれた。姉は今でもそう信じている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.06.06 10:36:17
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