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カテゴリ:好きな映画・・男優系
レイフ主演作上海の伯爵夫人をやっと見ることができました。
公開当初、ミニシアター系だったこともあり 見逃してしまった、レイフファンにとっては 自己嫌悪に陥る出来事でありましたが・・・ う~ん、やはり映画館で見たかった作品でした。 1930年代の上海の描き方は、情緒感たっぷりで美しく、 脚本が石黒一雄氏、監督がジェームス・アイボリーという 最強のコンビ(映画「日の名残り」で才能は実証済み) ということもあり、すばらしい映像美となんともいえぬ 心地よい余韻を残す映画でございました。 (いきなりザーマス調) キャスティングの妙技にも、泣かされました。 伯爵夫人役を務めたナターシャ・リチャードソンは クラッシックな面持ちの美人。 映画を観る前は、この人で大丈夫かい?と 内心心配しましたが・・観た後にはこの人で 良かったと心から思える、存在感のある美しい 伯爵夫人を見事に演じていました。 謎の日本人役の真田広之も、自然な英語(無理に 発音を良くしようとしていない感じ)で レイフとの2ショットも様になる・・・ もう彼は完璧に国際スターの貫禄を醸し出していました。 むしろ、渡辺謙のややキツメの演技より 自然で良いのでは?などと感じました。 物語は、やや歴史的背景を知っていたほうが判り易い とは思います。 多分、ソビエト連邦が1922年に建国され、その前に ロマノフ王朝が崩壊してしまったということもあり、 ロシア貴族には、生き難い国になってしまったと 思われます。それゆえ、外国に亡命するロシアの貴族が 多かったのでは・・・ なので、映画の中で伯爵夫人を演じるソフィアは、 祖国から親類と愛娘と共に逃げてきたのはいいのですが、 すでに亡くなっている夫(伯爵)の姉妹は、 かなりの貴族くずれで、我儘三昧・・・・ もう名前だけでは生きていけない時代と場所なのにも かかわらず、自ら働こうとはせず、生活を全て ソフィアにおんぶに抱っこ状態・・・ しかも、ソフィアの仕事を蔑み続ける、最悪の家族。 そんな状況の中、懸命に生きるソフィアの健気なこと といったら・・・立派すぎます。 しかしそんな彼女であるからこそ、心から伯爵夫人と 呼ぶのに相応しいのであると・・レイフ・ファインズ 演じる、決して癒されない傷を持つ盲目のトッドは 心の眼で見抜くのです。 これは、単に恋愛映画ではなく、混沌とした時代を 生き抜いた人たちのドラマでもあります。 日本人としては、上海への侵略など・・ 後ろめたい気持ちも感じてしまう映画ですが、 全てを総合しても、とても良く出来た作品です。 映像が美しく、音楽も素晴らしい。 もちろん、レイフ・ファインズ、盲目の役柄を 安心感のある演技でこなしていました。 重みのある良作を観たい方には、お勧めの作品です!!! 上海の伯爵夫人 2005年 アメリカ・イギリス・ドイツ・中国 監督 ジェームス・アイヴォリー 脚本 カズオ・イシグロ 出演 レイフ・ファインズ、ナターシャ・リチャードソン、真田広之 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.08.19 23:21:01
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