秀作!!
久々の幸せシリーズです幸せ シリーズというカテゴリーを 作ってから今までに紹介した、タイトルに幸せ(しあわせ)がつく映画9本ありました。 「幸せになる彼氏の選び方」 「幸せになるためのイタリア語講座」 「ラスムスくんの幸せをさがして」 「しあわせの法則」 「世界で一番不運で幸せな私」 「幸せのポートレート」 「みんなのしあわせ」 「幸福(しあわせ)のスイッチ」 「幸せのちから」 偶然にも10本目を飾る、本日見た映画、個人的に今まで見た幸せシリーズの中で 一番の秀作と思える出来でした。 ふぅ・・良い映画に出会えた後の充実感でしあわせです。 「しあわせな孤独」 2002年 デンマーク 監督 スザンネ・ビア 出演 ソニア・リクター、ニコライ・リー・コス、マッツ・ミケルセンほか あらすじ ↓ 交通事故を境に急速に動き始める男女4人の運命を、 一人ひとりの内面に切り込んだ表現で描く愛の物語。 女性シェフのセシリと博士号取得を目指す大学生ヨアヒムのカップルは、 結婚を間近に控えていた。だがある日、セシリの目の前でヨアヒムが交通事故に・・・ 監督はCMやミュージックビデオも手掛けるデンマークの新鋭スザンネ・ビエール。 ラース・フォン・トリアー監督が提唱する“ドグマ”(人工的な照明を使わずに 手持ちカメラのみでロケーション撮影を行う手法)を用い、本国で大ヒットした作品。 感想 ↓ 久々にGyaOで鑑賞。 R-15の位置づけがおかしいと思える作品です。 官能的でもないし、描写も決して卑猥ではありません。 ものすごく良い映画です。この作品は。 ドグマ手法なので、妙にリアル。近所のカメラ上手な素人さんが撮っているような 映像ですが・・・・いや、やっぱり違う・・ ここまで心情、気持ちを表現できるのは、やっぱり映画人が撮影しているからこそ! と、しばらくしてから気づくでしょう。 デンマーク映画のちょっと粗めな乾いた感じの映像は、この映画からもひしひしと 感じることができます。 ヨアヒムを演じたのは、以前紹介した「恋に落ちる確率」で主人公のアレックスを演じた ニコライ・リー・コス。 受難系の役が多い? のか? この映画の中でもかなりの災難を受ける役。 可愛い彼女とともに、生きているんだ~ という幸福感を 髯面山男風の風貌に 満面の笑みを浮かべキラキラとしていたヨアヒムなのに・・ 運命って本当に、ときになんて残酷。しかし、それでも直面しなければいけない。 それは、一人ではないから。自分を愛してくれている人が周りにいるから。 原題のデンマーク語は判らないけれど英語題は「OPEN HEART」。 運命に苛まれ、どうしようもない苦しみの中、看護士さんに八つ当たりしながらも、 ヨアヒムが心を開くまでの心理描写が見事。 そして、ヨアヒムに心を開いてもらいたいと、切に願う彼女の描写もなかなかのもの。 そこまでに至る周りの人々の姿、特にヨアヒムの彼女、医者、その妻、看護師、子どもたち みな、すごくいいです。上手いです。 ひとつの事故は、結局~ 関係のある人々にとっては、様々な形であれ、 大きな代償を支払わなければならないのかも? 一人の青年の輝きを奪ってしまったのですから・・仕方ないことなのかもしれませんね。 そんな風にも思えた作品。 手持ちカメラが、見ているこちらの心の揺れまで、撮っているような感覚に陥りますが 感想は揺れません~ これは間違いなく秀作です。オススメです。 --追記-- ドグマ95(Dogme95)は、デンマークにおける映画運動である。 1995年、ラース・フォン・トリアーらによって始められた。 ドグマ95には「純潔の誓い」と呼ばれる、映画を製作する上で10個の重要なルールがある。 1. 撮影はすべてロケーションによること。スタジオのセット撮影を禁じる。 2. 映像と関係のないところで作られた音(効果音など)をのせてはならない。 3. カメラは必ず手持ちによること。 4. 映画はカラーであること。照明効果は禁止。 5. 光学合成やフィルターを禁止する。 6. 表面的なアクションは許されない(殺人、武器などは起きてはならない)。 7. 時間的、地理的な乖離は許されない(つまり今、ここで起こっていることしか描いては いけない。回想シーンなどの禁止である) 8. ジャンル映画を禁止する。 9. 最終的なフォーマットは35mmフィルムであること。 10. 監督の名前はスタッフロールなどにクレジットしてはいけない。 しかし、このすべてが守られなければドグマ映画として認定されないという訳ではない。 Wikipediaより抜粋