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カテゴリ:本
東京で暮らす佐々木蒼子は、愛人のいる夫と思い描いていた結婚生活には程遠い毎日を送っている。自分も恋人を作りお互い好き勝手に生きている。
ある日、博多で昔の恋人河見を見かけ思わず後をつけると、その人の横には自分そっくりの女性がいた。 二人の名前は同じ蒼子。過去の記憶は全く同じだが、全く性格の違う佐々木蒼子と河見蒼子。 ある日、二人は1ヶ月だけ入れ替わって、それぞれの生活を送ることを思いつく。 もしあの時どちらか悩んで結婚した相手ではなく、別の相手と結婚していたら…? 今の自分はどんな生活を送っていたのだろう。 結婚に限らず誰しも一度は考える、もしあの時別の選択をしていたら…って。 そこへ自分とうりふたつの人間が現われて、その人が実は自分の分身だとわかったら、別の人生を少しは味わってみたくなるかも。 この小説の中で、河見蒼子は佐々木蒼子の分身として登場するのだけど、全く違う性格と思っていた二人が、実は根本的には同じ性質の人間だったと言う事が、入れ替わってみて初めてわかる。 「万華鏡のように美しい小説」といううたい文句に惹かれて買ったところもあるのだけど、私には怖い小説に思えた。人間の心理の奥深くに潜む恐ろしさを感じた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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