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カテゴリ:スペイン映画
スペイン、ペドロ・アルモドバル監督作品。
女性闘牛士のリディアは、競技中の事故で昏睡状態となってしまった。恋人のマルコは突然の事故に動揺し、病室の彼女のそばを離れずに、でも何も出来ずにただ悲嘆に暮れ涙するだけだった。 同じ病院に交通事故でやはり昏睡状態となり、4年間も眠り続けているアリシアがいた。彼女の担当看護士ペニグノは、眠り続ける彼女に常に語りかけ、髪をとかし、マッサージをし、爪の手入れをして、病人とは思えないほどいつも美しいままの姿を保たせていた。 ペニグノはアリシアを心から愛していた。 同じような境遇にある2人の男性の間には、いつしか友情が芽生えていた。 最初の方は、正直言ってちょっと気持ち悪かった。毎日自分の部屋からアリシアのバレエ教室を眺め、アリシアの部屋に勝手に入り彼女の髪止めを盗んで行くペニグノ。昏睡状態に陥った彼女に一方的に恋する彼。15年間母親の世話をして世間と交流を持てなかった、オタク的な青年の話だわ。と思っていたが、ラストで驚きと悲しみとが襲ってくる。 最初気持ち悪く思えていたペニグノの行動や思いも、結局ここに行きつくのかと思うと、普通の形ではないにしろ”無償の愛”の賜物ということになるのだろうか。 ある意味弱者だったペニグノを守れるものは無く、助けられなかったマルコの無念さが悲しい。 おかしな表現かもしれないが、嬉しい奇跡と悲しい現実。悲しいけど喜びもある。そんな作品だった。でも、やはり切ない。 アルモドバル監督の映画を何作品か見る予定だが、他のもこんな感じなのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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