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カテゴリ:チェコ映画
これは曲の方ではなくチェコの映画。 戦争映画には二つあると思う。一つは徹底的に戦争の悲惨さを映しだすもの。もう一つは厳しい生活の中でどの様に人々が生きたかをユーモアを交えながら描かれたもの。 この作品は後者だ。 第2次世界大戦下のチェコのとある町。ここもナチスの影響下にあった。ある日ヨゼフとマリエの夫婦は、以前の職場の上司の息子で収容所から脱走してきたダヴィドを匿うことになる。 ヨゼフのかつての同僚ホルストはナチの信奉者。彼はしょっちゅう食料などを持ってヨゼフの家に訪ねてくるが、実は彼はマリエに夢中なのだった。だが、ホルストはこの夫婦が何か隠し事をしているのではないかと疑い始める。 結局2年間ヨゼフ、マリエ夫妻の家に隠れて過ごす事になるダヴィド。その間に夫妻とだヴィドの間に信じられないような事が起きる。ものすごく考えさせられるシーンだが、自分たちが生き延びていくにはこれしかない、という選択。この映画ではそのシーンが一番心に残っている。 戦争の残酷さ、愚かさ、人間の弱さと同時に勇気や寛容さ。良かれと思ってした事も戦争の成り行きでは立場が逆転してしまう恐ろしさ。戦時下では何が起こるかわからない。裏切りもあるし同じチェコ人でも信じられないという張り詰めた日常の中で、ユダヤ人の青年をかくまいながら自分たちも必死で生き延びようとする様子がユーモアを交えながら描かれた秀作。 陽だまりの映像がとても美しく音楽もいい。 ヨゼフとマリエ。まさにキリストの父母の名のごとく彼らにも素晴らしい授かりものが。昔を思い出しながらヨゼフが授かりものと歩くラストは感動だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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