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カテゴリ:イタリア映画
≪かつての栄光の日々を叉ちょっぴり味わえた初老の男女の心温まる再会≫ クリスマスのテレビ特別番組に出演する為に30年ぶりにコンビを組む事になったジンジャーことアメリアとフレッドことピッポ。お互い年老いてはいたが、ひとたび言葉を交わすと気分はすっかり当時のまま心も通じ合う。 しかし、二人でリハーサルをしてみると体力の衰えを感じずにはいられない。本番が近づくにつれだんだん不安になっていき… 若い頃の二人の映画を観ていて久しぶりに姿を見るとちょっとびっくりするほど年老いています。当時二人とも60歳前後でしょうか、マストロヤンニは頭も薄くなり疲れた感じがよく出ていましたが、私にはちょっとショックでもありました。でもこれが事実、誰にでも訪れる現実なのだから仕方ありません。 他のテレビ出演者たちが大変ユニークな人達ばかりで、この会話の内容も変わっています。テレビ局で働く人達はどこかいい加減でもちろん視聴率や、視聴者の反応が一番なので、いわゆるほとんど素人に近い人間をあまり丁寧に扱ってはくれません。意味のわからない、グラマーな女性達がやたらと出てくるコマーシャル。当時のイタリアのテレビ界は本当にあんな感じだったのでしょうね。フェリーニはこの商業主義的なテレビ界をこの映画で批判しているように見受けられます。 アメリアとフレッドはかつては恋人同士。久しぶりに会っていろんな話しをするうちに昔を思い出しかつての気分に戻れますが、いかんせん体が思うようには動かなくなっています。逃げ出したい気持ちに駆られながらもなんとか躍りきる二人。躍り終わって息を弾ませながらも充実感が漂います。 ダンスのシーンは二人ともですが、特にマシーナの姿勢の良さと軽快なステップや表情が踊りなれてるなーという感じがしました。 別れの時、駅までアメリアを送って来たピッポ。この時のマストロヤンニはダンディでとても素敵です。というかピッポが素敵なのですが。テレビに出た事で当時を知るはずがない若い人達からもサインを求められて自信がついたのでしょう。 ダンスの振りと同じように汽笛でアメリアを呼びとめるけど、ダンスと違うのはアメリアはバイバイと手を振って去っていくところ。 二人はもう元には戻らないけどきっとこれからも良い友人でいられるだろう、と思わせるラストです。 考えてみたら、フェリーニもマシーナも、そしてマストロヤンニももうこの世にはいないのですよね。この人達の映画を今でもよく観ているので、亡くなっているというのが嘘のような気がします。 GINGER ET FRED 1985年 イタリア、フランス、西ドイツ 監督:フェデリコ・フェリーニ 脚本:フェデリコ・フェリーニ、トニーノ・グエッラ、トゥリオ・ピネリ 出演:ジュリエッタ・マシーナ、マルチェロ・マストロヤンニ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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