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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:台湾映画
≪誰にもいろんな悩みはあるものです…≫ タイトルから想像するとヤンヤンが主人公でそのこの夏の思い出が描かれていると思うが、ヤンヤンの家族一人一人を描いた作品です。 小学生のヤンヤンは両親と祖母、高校生の姉ティンティンの家族の何不自由ない生活をしている。 しかし、叔父さんの結婚式の日からいろんな事が起きて今までの生活は一変してしまう。 祖母は脳卒中で倒れ意識不明に陥ってしまい、父親は初恋の人に20数年ぶりに再会、母親は祖母の病気のことで精神不安定になり新興宗教に走り山にこもってしまう。ティンティンは隣に住む友人のボーイフレンドに恋をし、ヤンヤンはいたずら盛り、でも彼にも淡い恋心が芽生えて… 一つ悪い方向に事が向くと次から次へと悪い方向に転んでしまうのはよくあることですが、ここの一家のトラブルの根源は叔父さん。恋人がいたのに他の女性と出来ちゃった結婚をしたことからトラブル続きです。 でも普通の生活でもこんなことはありがちだな、と感じた映画でした。 何でも占いなどから「縁起の良い日」を選んで結婚式や子供の名付け日を決めるのはちょっとうんざりですが、台湾では現在でもこんなに縁起をかつぐのでしょうか。私の祖母も生前よく「日」を気にしてはいましたが。 ちょっと暗い方向へ進みがちな話に一杯の清涼飲料水のように爽やかな印象を与えるのがヤンヤンです。とてもかわいらしい少年で彼が出てくると何だかほっとします。 彼の淡い想いが、プールや家での潜水練習のシーンで実に微笑ましくて好きです。 イッセー尾形が父親のビジネス相手の日本人を演じていますが、誠実で深みのある役どころに好感を持てます。いい日本人を演じてくれて良かったな、と。日本との合作だから気を使ったのでしょうか。日本でのシーンも少し出てきます。 最後のシーン、ヤンヤンがおばあちゃんに語りかけるところが良いです。 日常の出来事、やるせない人生、どんな人もいろんな問題を抱えていることが描かれた作品。 個人的には冒頭の結婚式の写真を撮る庭の雰囲気がすごく好きでした。 A ONE & A TWO YIYI 2001年 台湾/日本 監督/脚本:エドワード・ヤン 出演:ウー・二ェンツェン、ジョナサン・チャン、エレイン・ジン、ケリー・リー、イッセー尾形 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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