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テーマ:おすすめ映画(4068)
カテゴリ:イギリス映画
≪周りの人の協力と、夢を諦めなかった少年に乾杯!≫
良かったです。泣きました。 バレエを習う事を父親に反対されて…という位の内容は知っていたのですが、感動しました。 イングランド北部の炭鉱町。母親を亡くし、炭鉱夫だがストライキで失業中の父と兄、そして少し認知症が出始めた祖母と暮らすビリーは11歳。ビリーにボクシングを習わせている父親は、練習毎に50ペンスのお金を払うのも大変な状況にある。そんな時、ボクシングと同じホールに移ってきたバレエ教室のレッスンを見たビリーは、何故かバレエに惹かれて一緒にレッスンを受けるようになる。彼はどんどんバレエに夢中になっていき、教室のウィルキンソン先生もビリーに才能を見出す。しかし、ボクシングに行かずにバレエ教室に通っていた事を知ったビリーの父親は激怒してしまい… 炭鉱町を舞台にした話はイギリス映画には多いです。灰色の空のストライキで荒んでしまった炭鉱町。労働者層の人たちの暮らしぶり。その様子を見るだけで大変な状況にあるのがわかります。 ストに明け暮れる父と兄。そこに母親を亡くして以来何か変わってしまった家の中、おばあちゃんは少しボケが出始めた。そんな家庭環境でたまたま夢中になってしまったものは、ボクシングでもサッカーでもレスリングでもなく、バレエだった。 「ダンスをすると開放感を味わえる」とビリーは踊ります。嫌な事も何もかも、ダンスは忘れさせてくれるのです。 周りの環境はバレエ学校に入学できるようなものではない。だけど、このままではイヤだ、ここにいても何も僕を変えられるものはない、と必死でもがいているかのようなビリーが、踊っているときは活き活きと、本当に何もかも忘れてしまっているような雰囲気がすごく感じられました。 反対していたものの、一度ビリーの真剣に踊る姿に強く何かを感じた父親は、バレエ学校へ受験させるべく裏切り者になろうとします。無理かもしれないとわかっても、息子の必死な様子にはどんな苦労も厭わない父親の様子、慣れないロンドンへ一張羅の服を着て行く様子、そして町を離れる息子を送り出す様子。泣けてきました。又、あんなにいつもビリーを怒鳴って相手にしてくれなかった兄のトニーも、ビリーを送り出すときには… 地方都市から大都会へ出て行く11歳の少年の気持ちも、彼を送り出す家族や周りの人たちの気持ちも、愛おしくてたまらなくなりました。 父親には反対され、兄にはいつも怒鳴られ、やり場の無い毎日だがコッソリと無料でレッスンしてくれたウィルキンソン先生。タバコを吸いながらバレエレッスンをする、全然バレエの先生らしくないMrs.ウィルキンソンですが、どんどん上達するビリーの才能を見越して「本格的な事はバレエ学校に行ってから学べばいいのよ」とロイヤル・バレエ学校を受験する事を薦めてくれた先生がいなければ彼の14年後はなかったのです。あの14年後のステージをウィルキンソン先生に見せてあげったかった。 女の子みたいにかわいくてユニークな友人との雪の日のシーンも、おしゃまでかわいいデビーとの彼女の部屋でのシーンも、心に残っています。 音楽も、T-REXやザ・クラッシュの「ロンドン・コーリング」が流れてすごく懐かしく、クラシックバレエを扱っているけれど、現代的にしたのもいいと思いました。 最後のアダム・クーパーのバレエシーン、どうせならもうちょっと観たかったです。でも、あのくらいがいいのな…? 主役も脇も素晴らしく、本当にいい映画でした。 BILLY ELLIOT 2000年 イギリス 監督:スティーヴン・ダルドリー 脚本:リー・ホール 振り付け:ピーター・ダーリング 出演:ジェイミー・ベル、ジュリー・ウォルターズ、ゲアリー・ルイス、ジェイミー・ドラヴェン、ステュアート・ウェルズ、ジーン・ヘイウッド お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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