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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:スペイン映画
≪母親と故郷の温かさが壊れかけた心をよみがえらせる≫
まず、このDVDのパッケージに目が行ったのです。ブルーの背景にたくさんのピンクのバラの花がハート型に並んでいる。タイトルも謎めいていて興味をそそられました。 レオの夫は軍人で不在がち。2人の間にある溝を感じていながらも寂しくてたまらないレオ。実は彼女は夫にも秘密でロマンス小説を書く、世界的なベストセラー作家だった。ある日夫が買ってくれたブーツが脱げなくなり、助けを求めて心理学者の友人ベティのもとへ急ぐレオ。これは夫にしか脱がせられないものだった。やっとベティが脱がせてくれたが、取り乱すレオにベティは新聞社の文芸欄編集者を紹介する。彼の仕事も順調にしていく中、夫が久しぶりに帰ってくるが… 秘密を共有するある人とが実は一番心分かちあえることになる。まあ、よくあると言えばありそうなパターンです。 アルモドバルの登場人物の中では、秘密の仕事をしているという他は、嫉妬したり、悩んだりとどこにでもいる普通の女性です。夫を恋しく思い、母親を心配し、妹と母親の仲を取り持ったり。その彼女がどうにもならない状態に陥った時救ってくれたのは、母親と故郷の村。彼女がそこから立ち直っていく再生の物語。 立ち直るのも難しいけど、お酒をやめると言いながら、ちょっとだけ、と言って飲んでしまうところなどは現実味があって良いですね。 妹と母親の親子のけんかのシーンもありそうな話。しっかりしている母親だけど、実は耳が遠いのかもしれないし、妹もちょっとうっとうしく思っているところもある。一緒に住んでいればしなくていいけんかもするでしょう。 そして、アルモドバル監督の特徴である色の使い方が又抜群です。 レオの家の家具の色。白壁に赤やブルーと言ったソファーや小物が見事に映えます。 医学生が白衣でデモをする中、レオのブルーのコートと真っ赤な帽子、編集者のグリーンやピンクのシャツがパアーッと浮き上がり、コントラストが見事です。常にレオの着る服は美しい原色。この監督の色のセンスは実にステキです。 バレデス頑張ってミニスカートはいてます。かなりミニです。彼女は何歳か知りませんが、顔から察してあのミニは無理があるのかもしれません。でも、脚が細くてまっすぐで、ものすごくきれいなのでとっても似合うのです。バービー人形みたいなんですもの。監督が彼女の脚を見て、ミニをはかせないともったいないと思ったのかもしれないな。 なさそうで、実はよくある身の回りの出来事を色鮮やかに描き、後味の良い作品でした。 LA FLOR DE MI SECRETO 1995年 スペイン、フランス 監督/脚本:ペドロ・アルモドバル 出演:マリサ・バレデス、ファン・エチャノヴェ、チュス・ランブレアヴェ、カルメン・エリアス、ロッシ・デ・パルマ、イマノール・アリアス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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