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カテゴリ:イタリア映画
≪2人の少年の友情と勇気の物語≫
そんなに期待して観たわけではないのですが、かなり好きです。 1978年夏、イタリア南部の家が5軒しかない貧しい村。10歳のミケーレは妹や他の4人の村の子供達と、いつも自転車で走り回っていた。ある日ミケーレは、村から少し離れた廃屋にトタンのかぶさった穴を発見する。何とそこには鎖で繋がれた少年(フィリッポ)がいるではないか。あまりの恐ろしさにミケーレは、その事を誰にも言えずにいた。 見渡す限り続く黄金色の麦畑、ところどころに咲くポピー、紺碧の空。ハアー、ため息が出るほど美しい風景。自転車で走り回る他は何にも遊び道具はなく、廃屋に出かけて罰ゲームに興じる位のこと。それでも子供達とっては楽しい毎日。しかし、思いがけず鎖に繋がれた少年を見つけ、それが何かしら村の大人たちと関係あるらしいと知ったミケーレの悩み。 気になってしょうがない穴の中の少年。少しずつその少年との交流がはじまり、自分の親も含めた信頼していた大人たちへの疑惑、不満がわきだす。それでも悪い事は悪い事だと、怖くないと自分自身に言い聞かせ… 多くは語れませんが、美しい風景と裏腹な大人の不条理さ。ミステリーと言うには早くに少年が何者かはわかるのですが、最初から最後までハラハラさせられます。 大人たちの理由がイマイチはっきりしませんが、これはミケーレの目線に立って語られる話なので、ミケーレがそこをはっきり知らないと言う事で観ればこれで仕方ないのでしょう。 子供特有の純粋すぎる為の裏切りや残酷さ。そして大人の汚さ。イタリアの南部と北部の貧富の差を表し、暗い穴と眩いばかりの太陽は汚い大人と純粋無垢な子供との上手い対比のようでもあります。 大人の悪の部分を垣間見たミケーレが、妹には見える犬が見えないというシーン。彼も今大人への階段を登り始めているのかもしれません。 ラストはきれい過ぎるのか、その後どうなるのか?などその辺の評価が分かれるかもしれません。 スティーヴン・キングの世界を見るような感じでした。 特にミケーレ役の子がいいですが、穴の中の少年、他の子役達もとてもいいです。イタリア映画の子役って、今も昔もどうしてこんなに自然で素晴らしいのでしょう。 原作を読んでみたくなりました。 IO NON HO PAURA 2003年 イタリア 監督:ガブリエーレ・サルヴァトレス 脚本:ニコロ・アンマニーティ、フランチェスカ・マルチャー 原作:ニコロ・アンマニーティ 出演:ジョゼッペ・クリスティアーノ、マッティーア・ディ・ピエッロ、アイタナ・サンチェス・ギヨン、ディーノ・アッブレーシャ、 DVD 本 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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