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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:イタリア映画
≪年上の女性を一途に想う少年のひたむきさと切なさ≫
昨年BSで放映されたのを見逃してこれまで観る機会がなかったのですが、又最近放映されたのでやっと観る事が出来ました。クラウディア・カルディナーレの出世作とも言われる作品です。 監督、脚本は『芽ばえ』の原作者ズルリーニ。 未亡人アイーダはナイトクラブの歌手。そこへ言い寄ってきたマルチェロと言う青年と親しくなりレコードを出してやると言われた彼女は彼と一緒に旅に出るが、本気でないマルチェロは途中で彼女を放り出し姿をくらましてしまう。やっとの思いで捜し当てた彼の家に行くとここにはそういう男はいないと言われる。マルチェロは弟のロレンツォにそう言えと嘘をつかせるが、困惑したアイーダを見てロレンツォは彼女を助ける。そして彼女に惹かれるようになったロレンツォは… 美しく魅力的な年上の女性に恋する少年の話です。 ロレンツォ役がジャック・ペランです。彼のデビュー作品でしょうか、まだ初々しくて、純粋で一途な少年の姿が眩しく感じます。 C.Cは官能的でちょっとはすっぱな感じの役が似合いますが、ここでもそういうキャラクターのアイーダ。マルチェロのせいで仕事も上手くいかなくなり、おまけに私生活でも苦労している彼女の姿を見て兄の責任を放っておけなかった弟が手を差し伸べ、そして彼女を一途に慕うロレンツォ、それぞれの俳優の個性を上手く生かした作品でした。 50,60年代のポップスは好きですが、途中流れるきっと当時流行していたのだと思われるイタリアン・ポップスもいい感じでした。それから映画のあらゆる場面で流れるサウンド。これが又いかにもイタリア、という雰囲気の哀愁を帯びたメロディーで、その音楽が流れるシーンもこの音楽自体も、これはイタリア映画でしか出せない独特の空気が流れているようで何とも言えません。 ストーリー自体はさほど珍しくもなく突出している作品とも思いませんが、C.Cの魅力が大いに詰まっているのはもちろんですが、ペランの彼女を一途に想う演技は又一見の価値ありです。 LA RAGAZZA CON LA VALIGIA 1961年 イタリア 監督:ヴァレリオ・ズルリーニ 脚本:ヴァレリオ・ズルリーニ、ベンヴェヌーティ、べナッティ 出演:クラウディア・カルディナーレ、ジャック・ペラン、ルチアナ・アンジェリッロ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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