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テーマ:おすすめ映画(4071)
カテゴリ:イギリス映画
≪カメラワークの見事さと、心理描写の巧みさに魅せられる≫
キャロル・リード監督が『第三の男』の2年前に撮った作品です。 北アイルランド。ある秘密結社(IRAと思われる)のリーダージョニーは仲間と共に政治資金調達の為に工場襲撃を企てる。しかし逃げる途中誤って人を殺してしまい、自分も負傷して仲間とはぐれ一人警察に追われることになる。 瀕死のジョニーが寒いアイルランドの冬、夕刻から夜にかけて一人逃げます。その中でいろんな人に出会うわけです。 賞金目当てに密告しようとする者、巻き込まれたくないと追い払う者、死の前に安らぎを与えたいと思う者、死に直面した人間を描きたいと思う者。結局ジョニーを心から助けたい、救いたいと思っているのは彼を慕うキャスリーンだけなのかもしれません。 ジョニーのやった事の良し悪しというよりも、彼に関わる人たちの心理を描いたある意味群像劇のようなところもあります。しかし、なるほど、いろんな人がいるものだ、実際にこうなんだろうと思いながら観ていました。 結局人は自分の事が一番大切なんですね。 モノクロの中の陰影のつけ方、雨から雪に変わるアイルランドの寒い冬の夜を逃げるジョニーの姿、緻密な描写にラストの切なさも手伝って余韻の残る作品です。 ODD MAN OUT 1947年 イギリス 監督:キャロル・リード 脚本:F.L.グリーン、R.C.シェリフ 原作:F.L.グリーン 出演:ジェームズ・メイソン、キャスリーン、ライアン、F.J.マッコーミック、ロバート・ニュートン、ロバート・ビーティ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.05.26 12:17:31
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