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カテゴリ:イタリア映画
実話を基にした作品です。 シチリアの小さな町。ベッピーノの父や親戚は皆マフィアに関係していた。大好きだったおじが爆弾の仕掛けられた車に乗って死に、おじの肖像画を描いて欲しいと頼みに行った共産主義者の画家は「被害者も加害者も同じ穴のムジナだ」と言う。その言葉を青年になったベッピーノが理解する頃、世の中は若者を中心に反政府運動など左翼化して来る。マフィア糾弾運動へと仲間達と共にのめりこんで行くベッピーノだったが… このベッピーノは幼い頃から頭が良く、父親はマフィアのボス、ターノのようになって欲しいと願っていました。子供の頃は自分の環境に何の疑いも持たなかったベッピーノが画家との出会いや世情に伴い、マフィアへの嫌悪感を抱くようになります。 ターノの家はベッピーノの家から百歩の距離。子供の頃は好きだった、尊敬もしていたターノを次第に憎むようになり、表立った思い切った行動も取るようになりますが、如何せん相手はマフィアのボス。その結末は恐ろしく、悲惨なものです。 ベッピーノの殺害から30年近く経ちますが、未だにシチリアではマフィアによる殺人事件は多く、それも司法関係者の殺害が多く見られるといいます。 元々シチリアの西部がマフィアの権力圏と言われていたのが、最近ではイタリア本土の南部にまで及んでいるとか。貧困から発生したマフィアと言われていますが、どこにその最高権力者がいるのか、政治と何らかの関係があるとか謎の部分が多い様子。普段はごく普通の人のように暮らしているシチリアの名だたる名士達が実はマフィアかもしれない、でも本当の所はわからないという、シチリアでマフィアの悪口でも言うものなら恐ろしい様子が目に浮かんできそう。 そういう風土で育ち、親も親戚もマフィア関係者であったベッピーノが真っ向からマフィアに立ち向かい、ネタバレになりますが、悲惨な最期を遂げなければならなかったというのは実に悲しく、残念でなりません。 シチリアを舞台にした美しい映画は数多くありますが、そこからは想像もつかないような暗闇の部分がある事も事実なわけです。 映画の感想と言うよりも、マフィアについていろいろ考えてしまいました。 I CENTO PASSI 2002年 イタリア 監督:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ 脚本:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ、モニカ・ザッペリ 出演:ルイジ・ロ・カーショ、ルイジ・マリア・ブッルアーノ、ルチア・サルド、パオロ・ブリグリア、トニー・スペランデオ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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