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カテゴリ:イタリア映画
≪美しいイタリアの自然をバックに清貧に生きた若者達の物語≫ 「アッシジのフランチェスコ」といえば、カトリックの聖人として有名ですが、その彼の若き日を描いた作品です。 12世紀のイタリア、アッシジ。裕福な商人のひとり息子として生まれ、何不自由なく育ったフランチェスコ。4人の友人達と来る日も来る日も楽しく過ごしていた。アッシジとペルージャの戦いで4人の仲間と共に出征したが、戦場から戻り病魔に冒され何週間もベッドに横たわり生死の世界を彷徨う。そしてある日、キリストの声を聞いたフランチェスコは目覚め、自分の中の変化に気付く。 最初に観たのはローティーンの頃で、キリスト教の事もフランチェスコ教団の事もよく知らなかったので、何でそんなに貧しく生きなければならないのかも理解せず、ただただ、ポピーの咲き乱れる美しい野と青い空、クララの美しさなどが印象的でした。その後、実在の人物でフランチェスコ教団の創始者の話ということを知り、改めて見直したのでした。フランチェスコ教団と言うと、一切の財産を拒否し托鉢僧団として有名ですが、その事をきちんと知った上で観ると、見方も変わってくると思います。 財産は一切所有せず、ボロを身にまとい、清貧に生きる。フランチェスコはじめ、この教団の開祖たちは全員裕福な家庭の出というところにも注目。フランチェスコが親の財産を窓から放り投げるシーンがありますが、実際にそうしたのかはともかくも、親のものまでそうしてもらっちゃ迷惑。一生懸命に働きひとり息子のためにと蓄えた財産も、その息子によって捨てられる。たまったもんじゃありません。当時は新興宗教のひとつのようなものだったのでしょうから、宗教に目覚めると家族や周りのものは心労が多かった事はいつの時代も同じなのでしょうね。 豪華絢爛なバチカンの様子や当時の裕福な家庭など、この時代の華やかな部分と貧しく生きる人たちを上手く対比し描ききっているのはさすがにゼフィレッリ。 宗教の汚い部分もきちんと見せて、逆に汚れのない純粋な心で信仰の道を歩んだフランチェスコたちを清々しく描いています。 この人たちになかなか感情移入は出来にくいものの、物語として観るとある意味おとぎ話のような感動的な部分もあるのです。 ドノヴァンの音楽も印象的でした。 BROTHER SUN, SISITER MOON 1972年 イタリア/イギリス 監督:フランコ・ゼフィレッリ 脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーゴ、ケネス・ロウ、リナ・ウェルトミューラー、フランコ・ゼフィレッリ 出演:グレアム・フォークナー、ジュディ・バウカー、リー・ローソン、ケネス・クランハム、マイケル・フィースト、アレック・ギネス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.06.20 15:53:19
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