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2006.10.04
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カテゴリ:日本映画
≪人間の本質をつぶさに描いた傑作サスペンス≫

エド・マくべインの小説を、黒澤明が映画化した作品。
面白いですね。初めて観た時、最初のシーンからグングン引き込まれてあっという間にラストまで観たような記憶があります。




靴会社の重役権藤は、高台に豪邸を構え裕福な生活を送っていた。ある日、自分の息子と間違って運転手の息子を誘拐した犯人から、3000万円の身代金を要求される。



当時の3000万円と言うと今ではいくらなんでしょう?とにかくとんでもない金額です。この時権藤はすぐに5000万円を大阪に届けなければ、次の株主総会で危うい立場にあり、そのお金を使って身代金を払わなければならないと言う苦渋の選択をします。
他の会社役員や、今まで信頼してきた部下の裏切り、いろんな思惑のある社会、人間性を実に細かに描いています。

原作を読んだことはありませんが、「特急こだま」を使った有名な身代金引渡しのシーンは映画独自のものでしょうから、開く窓に合わせて鞄を用意させそこから投げる、などという実に面白い、知能犯らしいシーンを作ったものです。

犯人を特定してからの綿密な捜査の報告や方法のシーン、麻薬中毒患者のたくさんいる場所の異様な雰囲気など片時も目を離せません。

ラストも衝撃的で物悲しく、とても印象深いです。
現在のテンポの良い刑事モノから比べるとやはり少しスローテンポですが、それでもこの作品、今日の多くの刑事モノ、サスペンスものに影響を与えているのだと思います。

しかし、この頃の黒澤作品と言うのは、人間の本質というのを的確にとらえ表現していて本当に素晴らしいですね。

三船敏郎はもちろん、若き日の山崎務の怪演、仲代達矢のカッコよさ、そして今は亡き多くの名優達が見られて懐かしいです。江木俊夫もかわいい。そして、この時の木村功が舘ひろしに見えてしょうがない(笑)。菅井きんさんが麻薬中毒のあの女性をやっていたそうですが、気がつきませんでした。又観る機会があったら注意しておきましょう。


監督:黒澤 明
脚本:小園英雄、菊島隆三、久板栄二郎、黒澤 明
原作:エド・マクベイン  「キングの身代金」
出演:三船敏郎、仲代達矢、香川京子、山崎 務、石山健二郎、木村 功、加藤 武、三橋達也



天国と地獄





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Last updated  2006.10.04 15:37:05
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ETCマンツーマン英会話@ Re:『マイ・レフトフット』(05/09) 『マイ・レフトフット』を調べていてこち…
hoshiochi@ Re:☆君を想って海をゆく☆(03/18) はじめまして、こんばんは。私もこの映画…
Maria@ 残念ですけれど… まだまだ未読の映画レヴュー…少しずつ読め…
伊場拓也@ Re:Somewhere in time!(03/24) 同じ思いかも?考え所ですかね。
こぶたのベイブウ@ Re:Somewhere in time!(03/24) リラさんのブログ、今まで楽しく読んでい…

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