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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:日本映画
しばらく映画レビューから離れていたのでアップしたい作品が溜まりに溜まっています。 戦国時代、近江に住む源十郎は陶器を作り売り儲けようと、その弟の藤兵衛は侍になるという野心を抱いていた。2人はそれぞれの妻を置き、町へと陶器を運ぶ。ある日、源十郎は謎めいた女性の屋敷へ陶器を届け、その女性に請われるまま屋敷へ入りびたり… 初の溝口作品鑑賞です。 出世欲の旺盛な男達は家を出て行き、家庭を守る妻。全ては自分はもちろん、妻に良い思いをさせてあげたいはずだったのに、その結末はあまりに悲しい。 怪しげな雰囲気の屋敷と京マチ子の妖艶さは、西洋のオカルト映画と違い、沸々と恐怖を盛り立てます。これぞ日本の怪談。 今の世にも通じるテーマだとも思いますが、何かに強欲になりすぎると、又は怪しいものに手を出すと、本当に大切なものを失くしてしまう、と言うメッセージが込められています。 モノクロの幻想的な映像と、人間の心の弱さや執念深さを見事に表した作品。 田中絹代の最後の語りは、切なくてやられてしまいました。 1953年 監督:溝口健二 脚本:川口松太郎、依田義賢 原作:上田秋成 出演:京マチ子、田中絹代、水戸光子、森雅之、小沢栄太郎 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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