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テーマ:旧い旧い洋画(394)
カテゴリ:ポーランド映画
1945年ポーランド、ワルシャワ、ドイツが降伏した時。反ソ派テロリストのマチェックに、ソ連系共産党地区委員のシチュカ暗殺の指令が下るが失敗してしまう。その後もシチュカを狙うが、彼は大戦中ナチスレジスタンス運動を共にした同志だった。シチュカの滞在先のホテルにマチェックも宿泊してその時を待つが、そこで出逢ったクリスティーナと恋に落ち… アンジェイ・ワイダ監督の有名な作品。タイトルは以前から知っていましたが、観たのは初めてでした。 ポーランドって昔からつい近年まで、近隣の大国に呑み込まれ続けてきた国。特に第二次世界大戦後はソ連と言う大国に振り回される事になるわけですが、これはまだソ連の影響を受ける前の出来事です。 対ナチレジスタンスの同志であった人物がいまや敵となり、その相手を殺さなければならない。マチェックは命知らずの言わば今ではテロリスト。しかし、狙う相手のシチュカの人柄は良く知っている、おまけにクリスティーナと恋に落ち、死ぬ事を恐れるようになってしまう。 暗殺、恋人、死への恐怖、仲間、国家、そう言ったいろんなものへの思いが全部積み重なって、自分がやろうとしている行為への迷いが、マチェックを葛藤の渦に巻き込みます。その悩む彼の姿が切なくてたまりません。 ポーランドという国や時代背景をよく知ってから観ると又違う側面から観られる作品なのでしょう。ただ、悩み苦しむマッチェックはとてもカッコよくて、どこかジェームズ・ディーンを彷彿させますし、チブルスキーの演技は胸を打ちます。 こんな国や時代に生まれると言う事、私達の想像以上の苦しみや葛藤があったのは間違いありません。男性にこの映画ファンが多いのもうなずけます。 ラストシーンはあまりに残酷で切ない。 POPIOL I DIAMENT / ASHES AND THE DIAMOND 1957年 ポーランド 監督:アンジェイ・ワイダ 脚本:アンジェイ・ワイダ、イエジー・アンジェイエフスキー 原作:イエジー・アンジェイエフスキー 出演:ズビグニエフ・チブルスキー、エヴァ・クジイジェフスカ、アダム・バウリコフスキー、簿グミール・コビェフ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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