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2007.07.09
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カテゴリ:イギリス映画

≪解雇された坑夫たちのために≫


実在のバンドをモデルに映画化された作品です。



1990年代初めのヨークシャー地方。炭鉱の町グリムリーは、炭坑閉鎖問題で揺れていた。
伝統を誇るブラスバンド、グリムリー・コリアリー・バンドもメンバー達は炭坑閉鎖で失業の危機に。そんな中、バンドに情熱を傾けるリーダー兼指揮者のダニーは、全英選手権に出場し、ロイヤル・アルバート・ホールで演奏し、優勝する事を目標にしていた。



サッチャー政権時代の構造改革は、合理化を推し進めるために炭坑の閉鎖、それにともなうコミュニティの崩壊を招きました。
いつの時代でも、どこの国でも、近代化したり改革したりする際に付きまとう問題です。
メンバー個々にもいろんな問題があり、悩みがあり、バンドも半ばまとまらなくなってきますが、ある事をきっかけにより結束力が強まり、感動の結果に導きます。
ただ、感動の結末のその後に何が残っているかというと、それは決して明るい未来ではなかったのです。それでも、誇りだけは失わないように生きようとするダニーのアルバート・ホールでの演説が、この作品の全てを物語っているように思えました。
そして、炭坑夫たちのラストの力強い「威風堂々」の演奏には、胸が熱くなりました。


炭鉱町を舞台にした映画には、洋の東西を問わず良いものが数多くあります。
繁栄から一転衰退の道を辿るものもありますが、中には上手く転換して成功した例もあります。『フラガール』はその一例ですが、しかし、それでもみんながハワイアン・センターで働けたわけではありません。他の炭鉱へ移った人もいれば、完全に失業した人もいたことでしょう。落盤事故で亡くなった方も多いでしょうし。そういった背景があるので、炭鉱町を舞台にした映画には濃い人間ドラマが隠されていて、感動するのだと思います。

この映画での演奏シーンには、実際にグリムリー・コリアリー・バンドのメンバーが映画の出演者に混じって演奏しているそうです。そのメンバー達の実際の行く末はどうなったのでしょうか。事実は明るいものではなかったのかもしれません。失業、死、と言う言葉が頭をよぎります。しかし、何もかもハッピーエンドでは終わらないというのも、これこそ事実なのです。そして、この映画が実話ベースだからこそ、その内容の重さを深く受け止めるのです。


BRASSED OFF
1996年
イギリス
監督/脚本:マーク・ハーマン
出演:ピート・ポスルスウェイト、スティーヴン・トンプキンソン、ジム・カーター、ユアン・マクレガー、タラ・フィッツジェラルド、フィリップ・ジャクソン


DVD





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Last updated  2011.06.20 16:29:52
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ETCマンツーマン英会話@ Re:『マイ・レフトフット』(05/09) 『マイ・レフトフット』を調べていてこち…
hoshiochi@ Re:☆君を想って海をゆく☆(03/18) はじめまして、こんばんは。私もこの映画…
Maria@ 残念ですけれど… まだまだ未読の映画レヴュー…少しずつ読め…
伊場拓也@ Re:Somewhere in time!(03/24) 同じ思いかも?考え所ですかね。
こぶたのベイブウ@ Re:Somewhere in time!(03/24) リラさんのブログ、今まで楽しく読んでい…

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