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2007.09.06
テーマ：映画レビュー(894)
カテゴリ：日本映画
≪みんな若くてカッコイイ、キレイ！≫
加山雄三の「若大将シリーズ」は数年毎にテレビで放映されます。この間もNHK－BSで4晩ほどやっていました。私はこのシリーズが意外にも大好きで、テレビでやるとよく観てしまうのですが、若大将が大学時代のものはほとんど一度は観たと思うけど、社会人になってからのシリーズは観た記憶がありません。 先日は『大学の若大将』『ハワイの若大将』『アルプスの若大将』を観ました。『大学の若大将』がシリーズの第1作目らしいですが、どうりで、加山雄三もマドンナの星由里子の演技もたどたどしくて苦笑してしまうほどでした。 『寅さんシリーズ』や『釣りバカ日誌シリーズ』は、毎回マドンナ役が変わり、内容も変わるのですが、『若大将シリーズ』は内容はほとんど一緒のワンパターンです。 若大将の田沼雄一は、明治時代からの老舗、銀座のすき焼き屋「田能久」の息子で、スポーツ万能で大学のスポーツ部のヒーロー。歌は上手いし人気者。人から頼みごとをされたらイヤとは言えないお人よしなところもあります。大学の同級生石山は青大将と呼ばれ、お金持ちのボンボンで困った事があるとすぐに若大将に泣きつく。 マドンナ役は毎回星由里子で（後にマドンナ役が酒井和歌子に代わるらしい）、名前は澄子。澄ちゃんの設定は毎回変わりますが、大学のスポーツ部（スポーツは毎回変わる）に属する若大将が何かのきっかけで澄子と知り合いお互いに好感を持つが、いつも横から青大将が出てきて邪魔したり、若大将が女性にもてるので澄ちゃんがやきもちやいたりしてすったもんだある。しかし、最後にはスポーツの試合が行われ、ケンカしていた澄ちゃんが応援に来て、大逆転の末若大将の京南大学が優勝する、というもの。大体ダンスパーティのシーンで終わるのではないかしら。 若大将が何か問題起こしたり、学費を他のことに使ったりして父親の怒りを買い勘当されるのも毎回のパターン。若大将が急に歌いだしたりもする。 今観ると、何てヘンテコな映画だろうと思える部分もありますが、能天気で屈託のない育ちの良い若大将や、狡賢いところがいっぱいあるけど何故か憎めない青大将の良さが、加山雄三や田中邦衛その人自身を投影しているようで、そこがワンパターンの内容であるにもかかわらず何度も観てしまう所以かもしれません。 又脇の役者さんたちがみんな味があっていい。中でも好きなのが、おばあちゃん役の飯田蝶子さん。新し物好きで茶目っ気のあるしゃきっとしたおばあちゃんなのです。常に思い切ったことをやって、歯切れの良い口調で言う台詞が気持ちがいい。そして、雄一の父親役有島一郎さんもいつも楽しいです。頑固で、どっちかって言うと父親よりもおばあちゃんの方が考えが先進的で、雄一の味方になるのはいつもおばあちゃん。その度に「だから商業学校出はいやだよ」と言われる息子（有島）はたまったもんじゃありませんが、この飯田、有島のコンビが面白いんです。 それから、若大将所属のスポーツ部のマネージャー役の江原達怡もすごくいい味出しています。左卜全もよく出てきますが、今見ると懐かしくて、懐かしくて。 そして、加山氏の実父である上原謙さんもほとんど毎回、どこかの社長役とかで出てきて親子共演しています。 今回観た『アルプスの若大将』では、イーデス・ハンソンさんが出ていましたが、きれいでしたよ～！それにこの時代のファッションが好きなので、スタイルの良い女優さんたちが装う60’s ファッションも見所のひとつ。 私は『ハワイの若大将』と『エレキの若大将』を何度も観ていますが、特に『エレキの若大将』が好きで、ここで当時流行のダンスをおばあちゃんが踊っている姿が忘れられません。すっごく迫力あって上手いんですもの！『エレキの若大将』では、寺内タケシや内田裕也も出てました。 このシリーズで加山雄三の「君といつまでも」もよく歌われますが、他にもいい曲がたさんあります。タイトルはちょっとはっきりしないんだけど… しかし、当時はまだまだ高嶺の花だった海外ロケを何度もしているところをみると、人気もあったし、東宝は相当このシリーズに賭けていたのでしょう。 ワンパターンで、あり得ないようなおかしなシーンも多々あるけれど、日本のいい時代を背景にした、明るい青春映画のこのシリーズはいいですね。 DVD  DVD 
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