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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:イギリス映画
1997年8月、ダイアナ元イギリス皇太子妃はパリに滞在中、パパラッチとの激しいカーチェイスの末自動車事故で他界した。それから国葬に至るまでの、エリザベス女王、王室、そして、新首相となったブレア氏の心情、行動を描いた作品です。 この映画のCMをはじめて見た時、ヘレン・ミレンがあまりにエリザベス女王にそっくりなのに驚きました。もちろん熱心に女王の研究をしたのだと思いますが、ヘアスタイルはもちろん、表情も似ていました。ちょっと外股に歩くのも真似たのでしょうか?今度女王が歩く様子をじっくり見てみようと思います。 外見を似せようと努力したのももちろんですが、女王の持つ品格、威厳そういうものも内からにじみ出ていたように思います。 国民の英国王室とダイアナ元妃との確執の興味、そして王室に向けられる関心。女王が女王である前に一人の人間であり、母親を失った子供達の祖母としての心情もわかります。だけど、彼女は女王。この立場は国民を無視する事は出来ない、私情を国民の前に表せないという孤独や葛藤も描かれていました。もちろん王室やブレア首相に近い人から取材したのでしょうが、あくまでもこれはフィクションです。真実はわかりません。しかし、女王陛下は大変な、辛いお立場(あの時に限りませんが)だと言う事は間違いありません。 一番好きなシーンは、女王が山道で車が故障し助けを待つ間に牡鹿と出会うシーン。一人心細くいる所は女王でなく、生身の一人の人間。その姿をじっと見つめていたのはその牡鹿。それを見た女王の表情、大自然の中彼らだけの秘密の時間がとても大切なように感じられました。あの時のミレンの表情がとてもいいのです。 この作品で、ミレンはアカデミー賞主演女優賞を得ました。 労働党のブレア首相が、次第に女王に対しての見方を変えていき、「王室万歳」的な感じもありますが、地味ながらも飽きさせない作りになっていました。 THE QUEEN 2006年 イギリス/フランス/イタリア 監督:スティーヴン・フリアーズ 脚本:ピーター・モーガン 出演:へレン・ミレン、マイケル・シーン、ジェームズ・クロムウェル、シルヴィア・シムズ、アレックス・ジェニングス、ヘレン・マックロリー 他 DVD お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.03.10 17:53:37
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