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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:イギリス映画
ジョニー・デップ目当てで観た映画でした。 1920年代、ロシアの貧しい村に住むあるユダヤ人一家の娘フィゲレは父と祖母と暮らしていたが、父はアメリカに出稼ぎに行くことにした。生活が楽になればフィゲレを呼び寄せると言って。しかし、ある日村で暴動が起き、そこから逃れてフィゲレは一人ロンドンに流れ着く。そこで里親からスージーと名付けられたが、言葉は通じず、学校でも孤立する。時は流れて10年後、スージーは父親を探す為にアメリカ行きを決意。まずは旅費を稼ぐ為にロンドンの里親の元を離れ、パリでコーラスガールとして働くが・・・ とにかく、フィゲレの父親がよく歌っていて、この物語の核となるビゼーの『真珠採り』の曲が大好きだったので、私の中ではそこがまず「いい」ポイントでした。この曲を歌っていた父親の事を思い出し、それを支えにフィゲレは1人ロンドンからパリへ、そしてアメリカへと流れ歩くのです。 辛い出来事はあるものの、フィゲレが父親にたどり着くまでの過程にもう一工夫欲しいというか・・・。終わってみればちょっと父親との再会までが、そんなにスムーズに行くものなのか?と思われる節があります。特にアメリカについてからが、トントンと事が運びすぎて。全体的にも、サーっと流れていく感じがしないでもないんですよね。 テーマは【父親探し】にあるのだろうけど、途中フィゲレとジョニーの扮するジプシーのチェーザーとの恋があり、ジョニーびいきの私としてはそこが一番の見所だったのですが、やっぱりジョニーはステキでした。ジブシーが故に差別される憂いのある表情と、フィゲレを見つめる瞳は何と言ってもこの人にとても似合っている役だと思いましたね。 そして、ケイト・ブランシェットがロシア人役で出ているけど、この人は本当にどんな役でもそれになりきってこなしてしまうなァ。ちょっとロシア訛りっぽい英語と、メイクや雰囲気でロシア人になりきってしまっている。玉の輿を狙って、一見アッケラカンとしているようだけど、彼女の内は実は・・・。 クリスティナ・リッチは、ジョニーと共演している『スリーピー・ホロウ』がありますが、私はあの映画自体は好きですが、彼女はこちらの方が良かったように思います。 ユダヤ人、ロシア人、イタリア人、そしてロマ(ジプシー)。それぞれの悩みや迫害の変遷を知って見ると、又違うかもしれません。 観る前に思っていたよりも結構好きな映画でした。 実際のタイトルは「泣いた男」。それは誰を指しているのでしょうか。父親も、チェーザーも、イタリア人歌手も、そして劇場主も泣いたかもしれませんが、今回はビゼーの歌曲から取った邦題が良かったと思いました。 THE MAN WHO CRIED イギリス/フランス 監督/脚本/音楽プロデューサー:サリー・ポッター 音楽:オスヴァルト・ゴリジョフ 出演:クリスティナ・リッチ、ジョニー・デップ、ケイト・ブランシェット、ジョン・タトゥーロ、ハリー・ディーン・スタントン、オレグ・ヤンコフスキー 角川エンタテインメント 耳に残るは君の歌声 【送料無料選択可!】「耳に残るは君の歌声」 オリジナル・サウンドトラック / サルヴァトーレ・リチートラ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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