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カテゴリ:日本映画
梨木香歩さんは好きな作家で、彼女の本はほとんど読んでいます。『西の魔女が死んだ』が映画化されると知り、主人公のおばあちゃん役がシャーリー・マクレーンの娘サチ・パーカーだと聞いた時は、親日家のシャーリー夫妻が娘にサチと言う名前をつけた(本当はサチコではなかったか?)事や、サチが日本の学校に通っていたのも以前シャーリーの本を読んで知っていたので、彼女の日本語は問題ないだろうと思っていたけど、正直ちょっと若過ぎるのでは?と思ったのです。しかし、彼女は実に巧く実年齢よりもかなり上の役を演じていました。 「もうダメみたい。」ママは車の中でまいにそう言った。1人暮らしをしているおばあちゃんの事だ。まいはもう随分長い事おばあちゃんに逢っていなかった。 まいは中学生になってしばらく経った頃登校拒否になってしまう。まいのママは一夏まいを自分の母親、つまりまいの祖母の所へ預ける事にした。この祖母はイギリス人で、夫亡き後一人で田舎暮らしをしているのだ。まいとママはおばあちゃんの事を「西の魔女」と呼んでいた。 おばあちゃんの存在って確かに魔女っぽい。やさしくて、時に厳しくて、何でも知っていていろんな事を教えてくれる。転んで擦りむいたりした時は、何だかへんてこりんなおまじないの言葉を唱えてくれた。そうするとそれで痛みが飛んでいった気がしたものです。 まいのおばあちゃんはイギリス人だから「西の魔女」。学校でうまくいかなかったまいも、おばあちゃんのもとで草木の事を習ったり、ジャム作りや洗濯、掃除、規則正しい生活をするという魔女修行をやっていくうちに、自然の中で元気を取り戻して行きます。おばあちゃんは決して強制はしません。でもまいが出来る様に巧く仕向けていくのです。 原作を読んで思い描いていたおばあちゃんの家。いったいどのように映画の中で表現されているのだろう、と不安でしたが、山の中の一軒家で、英国のテイストを含んだその家が見事に再現されていました。家の周りの風景、草花、そして家の中の小物や布のデザインなど、どれもやさしい雰囲気で溢れていて、まさしく小説の中の西の魔女の家でした。 サチ・パーカーのおばあちゃんは、前述の通り、メイクなどの巧さもあるのだろうけど、ゆっくりとした動作や雰囲気が老け役にピッタリで嬉しい誤算。ちょうど良い具合に外国人が話す日本語を話していて、聴き易いのも良かったと思います。 まい役の高橋真悠は、最初はどうかな~と言う感じでしたが、進んでいくうちにどんどん巧くなっていくような気がしました。普通映画はストーリーどおりに順番に撮影していくわけではありませんが、ラストになるにつれいい感じになっていると思ったのです。 木村祐一は、思春期の少女が嫌うような要素を全て持っている、というか巧く表現していましたね。演技じゃなくても普通にしてても、あの容貌でちょっときつい喋り方だとそう思ってしまいそうですし。 リョウのママ役がちょっと微妙だったかな~。 特にこれ、と言うような大事件が起こるわけではなく日常の話ですから、エンターテイメントを好む方には面白くないかもしれません。でも、自然の中でのスローライフの映像に癒され、おばあちゃんの含蓄ある言葉にヒントを見つけられる映画だと思います。私個人は、亡き祖母たちのことをとても懐かしく思い出された作品でした。 主題歌の『虹』がこの映画の雰囲気にピッタリで、歌っている手嶌葵の歌声に又癒されます。 まいは長い事おばあちゃんに逢っていませんでした。まさかこんな後悔をする事になるなんて思いもせずに・・・。でも・・・。 原作を読んだ時もそうでしたが、ラストに一気に涙腺が緩んでしまいます。 2008年 監督:長崎俊一 脚本:長崎俊一、矢沢由美 原作:梨木香歩 出演:サチ・パーカー、高橋真悠、りょう、高橋克実、木村祐一、大森南朋 他 西の魔女が死んだ 特別版(DVD) ◆20%OFF! (オリジナル・サウンドトラック) フォレスト・ストーリー サウンドスケープ~映画『西の魔女が死んだ』より(CD) 西の魔女が死んだ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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