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2009.06.23
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カテゴリ:イギリス映画

イギリス人って自国の王室を面白おかしく表現するのが巧い、というかそれが許される国だなって、改めて感じる映画です。


18世紀末、英国国王のジョージ三世が突然乱心し異常な行動を取るようになる。これを機に政権を手に入れようとする皇太子、次々と裏切り行為をする臣下たち・・・英国は混乱な状態に陥ってく。そこで精神分析医は国王に荒治療試みるが・・・



実話を元にした舞台劇を映画化した作品だそうです。ジョージ三世は、そうだったのですか。またまた勉強不足で何も知りませんでした。

どの辺までが事実かはわかりませんが、国王の乱心振りはお気の毒、笑うに笑えない状態です。時はアメリカが独立した頃。怒り心頭の国王の様子が突如おかしくなる。周りはアタフタ、皇太子はここぞとばかりに政権を手に入れるべく画策を練り、しかし、国王の側近達は何とかせねばと、遠くまで出向き精神分析医を王室へと招くのだが…。この治療が怖ろしいのなんのって。されるがままの国王がかわいそうだったり、笑ってしまったり。

こちら見る側は気楽に笑っていれば良いのですが、当時の妃殿下はさぞお苦しかったでしょう。映画では国王夫妻のおしどり夫婦ぶりが描かれています。見ていられないほど乱心し、それに対する荒治療で笑ったり、しかめっ面しながら見ているこちらもせわしないのです。しかしそんな中、仲の良い夫婦が治療の為に夫に逢えない、その妻である妃殿下の寂しさがワンシーンに描かれているのですが、そこがとても印象的。ヘレン・ミレンはやっぱり巧いし。

何と言っても国王を演じたホーソーンの名演。分析医、側近達がその役どころ実に丁寧に演じていて、どれも見応えアリ。
美術も衣装も一見の価値有り。

でも、国王って本当に大変。そんな事を改めて感じるのでした。

皮肉たっぷりに英国王室を描いた、ブラックユーモア満載の、でも事実だと聞くとちょっと笑えない状態の、魅力たっぷりの映画でした。DVD化されてないのは残念。
原題も凄いです。


THE MADNESS OF KING GEORGE
1994年
イギリス/アメリカ
監督:ニコラス・ハイトナー
脚本:アラン・ベネット
美術:ケン・アダム
衣装:マーク・トンプソン
出演:ナイジェル・ホーソーン、ヘレン・ミレン、イアン・ホルム、ルパート・グレイヴス、ルパート・エヴェレット、アマンダ・ドノホー   他





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Last updated  2009.06.23 17:09:44
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伊場拓也@ Re:Somewhere in time!(03/24) 同じ思いかも?考え所ですかね。
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