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テーマ:フィギュアスケート(3628)
カテゴリ:フィギュアスケート
映画でも、作家でも、絵画でも、音楽でも、人間にでも、あらゆるものに対して人それぞれの好みがある。だから、もちろん私のこの「私のお気に入り」と言うブログタイトルも、あくまでも私の好きなものについて書きたい。ところが、好きなあまり、いえ好きだからこそその反対のものも書かざるを得ない時もある。 そして、冷静に判断しなくてはいけない事もある。特に、スポーツなどの勝敗がつくものには、自分が好きな選手だから、好きなチームだからと言って冷静さを欠いてもただの自己満足になってしまうかもしれない。だが、その好きなもの、人に対して誤解されたりする部分があると、それはやっぱり言っておきたい、と思うのも仕方あるまい。 オリンピックが終わってもう2週間近くになるが、もう一度じっくりと考えてみて、フィギュアスケートと今回のオリンピックについて一度きちんとまとめておこう、と思った。ところがいざ書いてみたら、書きたい事が出てくるわ、出てくるわ、止まりません(笑)。で数回に分けて書く事にした。好きなスケーターやらバンクーバーオリンピックについて、あちらこちらで止め処もなくバラバラと書いているのであしからず。 私がフィギュアスケートの大ファンだ、と言う事はこのブログをずっと読んでくださっている方にはお分かりだと思う。 きっかけは、古いが札幌オリンピックで観たジャネット・リン。足をちょっと曲げ、両腕を下に伸ばし手首をペンギンの格好をする時みたいに外側に向け、首を傾げた独特のスピンが大好きだった。とっても滑らかなスケーティング、だけど、スピードがあり、当時は大技だったダブルアクセルを跳んでいたと記憶している。エレガントなのにダイナミック。私の女子フィギュアスケーターの好みの原点は間違いなくこの人にある。 とても可憐で、フリーの時に尻もちついた後にもずっと笑顔で演技をし続けて、一躍札幌オリンピックのアイドルとなった。小学生だった私は、よく友達と体育館でジャネット・リンごっこをやったものだ。 当時は氷に図形を描く「規定」とフリーだった為、規定があまり得意でなかったジャネットは、フリーでのミスも響き銅メダルだったのだが、とても素晴らしく感動的なスケーティングで、強烈な印象を残した。当時誰が金メダルかなんて全く憶えていない。 過去、現在を含めて私の好きなフィギュアスケーター達をちょっと挙げてみよう。 男子では、ロビン・カズンズ、ブライアン・オーサー(そう、ヨナのコーチの)、カート・ブラウニング、アレクセイ・ヤグディン、本田武史、ジェフェリー・バトル、ブライアン・ジュベール、ステファン・ランビエール、そして高橋大輔。 ただ、この中で特に好きなのはカズンズ、ヤグディン、大輔。 ロビン・カズンズの長い手足を充分に活かした演技はとても見栄えがして、バレエジャンプも美しかった。そして高さのある迫力あるジャンプと、この人の一番の見所は高くて大きなフライングキャメルスピンだったと思う。彼のスケーティングを観るたびにスカッとした気分になった。 アレクセイ・ヤグディンは、「アラビアのロレンス」を演じた時から好きになったが、それまでの私の男子選手の好みが変わったきっかけはこの人だ。それ以前は王子様タイプのスケーターが好きだったが、もっと男性っぽいスケーティングをする選手が好きになったと言うこと。4-3-2と繰り出すド迫力のコンビネーションジャンプ、独特で切れのある、でも重厚なステップ、決してダンスが巧いとは思えないのだけども、体全体で演じていたまさに表現力は天下一品だったと思う。個人的には、ソルトレークOPのショートの「ウィンター」とその前シーズンのフリーの「グラディエーター」、そしてソルトレークのエキシビで使った、いわゆる「Overcome」が好き。 高橋大輔はもう随分言ってきたが、この人のダンスの才能はそれこそ天下一品だと思うが、これは天性のものだろう。彼のダンスを是非陸上で見てみたいものだ。以前はヤグディンのステップが最高だと思っていたのが、最近ではこの人のステップ技術とメリハリがあり、ためを効かせた演技に惚れている。とにかく彼の演技を観ていると、こちらも踊りたくなるし乗せられる。かと思えば、先日のエキシビションで披露したようなしっとりしたナンバーでも滑れる。何でも来い、だ。絶頂時のあの高い4回転ジャンプが又観たい。 彼に相当合っていると思ってたモロゾフコーチとその振り付け。しかしモロゾフから離れた大輔が次に繰り出すプログラムはどんなものだろう、と少し心配だったのだが、ショートの「eye」もフリーの「道」も素晴らしいものになった。「eye」はcobaが奏でるアコーディオンのリズムと、宮本賢二氏の振り付けが実に大輔にマッチしている、と言うか彼の良さを引き出したプログラムだと思う。又夕べもオリンピックのSP、フリーの演技を観ていたのだが、この「eye」の何と官能的でダイナミックな事か。 そしてフリーの「道」。最初にこのプログラムを観た時は、ちょっと合っていないかな、と思っていたが、その後だんだんと完成されてきたものを観るにつけ、もうドツボにハマリまくりの演技となった。何と楽しそうに滑っている事か、何と感情を爆発させている事か。「道」と言う映画を観た事のある人にとっては、大輔がいかにあの曲を的を得て、音楽と一体になって演じているかがより良くお分かりだと思う。オリンピックでは完璧ではなかったこの「道」の完成されたものを、是非、世界選手権が開かれるトリノで観たい。イタリアの観客は、大輔の「道」をどのように評価してくれるか楽しみだ。カナダの観客は映画「道」をどのくらい知っているのかな? 男子では、やはり完成度を持った美しいスケーティングはもちろんだが、4回転を是非入れて欲しい。大技だけではダメ、でも4回転に挑戦もしないような選手では・・・。私が好きな男子選手の演技はスキルフル&ダイナミック。 プルシェンコの今回のOPは、4回転を跳んだけど、やっぱりソルトレークやトリノのような演技ではなかったと言うのが正直な感想。いつも言ってしまうけど、私はこの人の演技に度肝を抜かれた事は何度もある。感心する。でも、感動した事はない。今回 href="http://plaza.rakuten.co.jp/nohohon45/diary/201002170000/f1c1c/">ここでも書いたけど、SPの振りは変だった。私はこの人の振り付けでどうも嫌いなところがある。今回のフリーでもどうしてもイヤな箇所があったし。もうこれは好みでね。 だけど、それにしても、やっぱり彼は凄いと思う。3年のブランク後に出てきて、4回転をササッと跳んで、銀メダル。フリーの時アナウンサーが言ってたけど、(公式の試合で、と言う意味だろうが)、「プルシェンコはこの8年間一度も転倒してません」って。やっぱり天才だ。いや、それだけではなくて、4年前までも、そして今回復帰を決めてからも並大抵ではない練習を積んで来たからこそだ。彼が4回転を軽々と跳ぶから簡単そうに見えるけど、絶対にそんな事はないのだ。他の選手達がどれ程4回転に手を焼いているかを見ればそれはわかる事。27歳。普通はまだ若いと言える年齢だが、20代前半の選手達と比べれば体力的に明らかにきついはずだから、スタミナにも問題はあったであろう。それなのに、あの演技だ。全くもって恐れ入る。 ライサチェックもかつて4回転に挑戦していた。だが、今の採点システムではこけるよりも無難な方を選択した方が良いからそうしたのだ。それは仕方ない。だが、やはり男子に4回転は必要である。4回転がなければアイスダンス、と言ったプルシェンコの言葉には驚いたが、アイスダンスとまではいかなくても、エキシビションだと思う。競技会に4回転が消えたら、それこそフィギュア界の進歩はない。日本人選手たちは果敢に4回転に挑戦しているので、そこが救いなのだが。大輔が「4回転を失敗しても、その後の演技をきちんと練習してきた」と記者会見で言っていたが、それを聞いてライサチェックはどう思ったかな? 「何でプルシェンコ又復活してしまったの?あなたがいると届きそうだった日本人のメダルが又遠のいてしまう」、とぼやいていた私だが、今回彼が4回転を跳ばなかったら、一連の発言がなかったら、今の採点システムにどこから異議を唱える人がいただろうか。ストイコなどは発言しているが、なかなか現役の選手がジャッジ批判となるような事は言えないだろう。でも、敢てそれを言うプルシェンコはやはり凄い。彼の演技はあまり好みでないが、1人のアスリートとして私はプルシェンコを評価する。 でも、世界選手権には出るのよねー。今度こそ完璧に仕上げてくるだろうな。ああ、大輔よ、なかなか大変だ。オリンピックで調子が悪かった他の有力選手たちも今度は上げてくるだろうし・・・。いや、もちろん大輔にも、信成にも、小塚君にも頑張ってもらいたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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