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テーマ:フィギュアスケート(3628)
カテゴリ:フィギュアスケート
好きな選手に戻って。ペアではダントツ、エカテリーナ・ゴルデーワ&セルゲイ・グリンコフ。彼らの「月光」は忘れられない。後に夫となったセルゲイが急死した事を考えると、彼らのこの「月光」は特別心に沁みる演技だったと思える。まだ当時若い2人だった。いろんなスケーターの「月光」があるけれど、私にとっての「月光」はエカテリーナとセルゲイだ。 アイスダンスは、今回優勝のカナダペアも良かったが、一番衝撃を受けたのはトービル&ディーンの「ボレロ」。彼らを初めて観たのは、サラエボOPの数年前だったのではないだろうか。NHK杯で表彰台に立ったかも定かではないのだけど、その時の彼らの(ODかフリーかも定かではない)ジャイブの演技がとっても印象的だった。その後まさかあんなに素晴らしい演技で、未だに私にとってナンバーワンのアイスダンスペアになろうとは。 それと、この頃トービル&ディーンとよく優勝を争っていたベステミアノア&ブキンや後のグリシュク&プラトフも好きだったのだが、偶然にもこの2組のコーチはタラソワさんだった。その後そんなに好きなアイスダンスペアは出てきていない。 好きな女子選手を述べる前に、中野友加里選手の引退の記事を見て、怪我もあったしある程度予測はしていたがやはり淋しい気持ちでいっぱいだ。2005年トリノオリンピックのシーズンに俄然注目され始め、あっという間に日本国中に認知されたシンデレラガールだった。得意のドーナツスピンでラストに凄い印象を残す彼女の演技で、私のお気に入りの選手の1人となった。アメリカのように国内選手権で一発で決まるのなら彼女がトリノ五輪に出られたはずだったが、そして今回もほんの僅差で又もや出場ならなかったが、もはや世界中に名の知れた、多くの人の心に残るスケーターになった。彼女のスケーティングが競技会で観られないのはとても残念。だけど、本当にお疲れ様でした。ステキな笑顔と演技をありがとう。 そして好きな女子選手たち。『好きなスケーター 〔その1〕』でも書いたが、私の好きな女子選手はエレガント&ダイナミック。 ジャネット・リン、ビールマンスピンで御馴染みのスイスのデニス・ビールマン、伊藤みどり、ミシェル・クワン(長野オリンピックの頃まで)、イリーナ・スルツカヤ、サーシャ・コーエン、荒川静香、鈴木明子、中野友加里、そして浅田真央。その中で特に好きなのはジャネット・リン、伊藤みどり、サーシャ・コーエン、荒川静香そして浅田真央。女子選手の場合エレガントさが必要だが、私の好みはエレガント+ダイナミック。ダイナミックさというのは、別に高度な技だけを指しているのではないと思う。私が感じるダイナミックは、その選手から湧き出る迫力。いつも言われる「スケートはジャンプだけじゃないんです」と言う言葉。そんなのは百も承知だ。だけど、それこそ男子と一緒、高度な技にも挑戦しなくては進歩はない。エレガントさだけなら別に競技じゃなくてエキシビやショーだけでいいもの。 伊藤みどりは、とにかくあのジャンプが素晴らしくて、ジャンプだけでこんなに感動するのは男女含めて未だに彼女だけだ。6種類のトリプルジャンプをどれも完璧に、それも怖ろしく高く、速く、飛距離もありなんて凄すぎるのだ。プルシェンコも凄いのだけど、なかなか感動とはいかないのだが。彼女はジャンプだけでなくスピンも速くて、軸がずれず、彼女の演技は全体的にスピード感溢れていた。それだけでも感動する。私が日本人だからかもしれないが。彼女のアルベールビルで跳んだトリプルアクセルも忘れがたいが、私はカルガリーでのショートとフリーが一番思い出に残っている。初めてのオリンピックが嬉しくて、楽しくて仕方ない、と言うように伸び伸びと弾けるように演技していた。フリーの演技をニュースで生中継した時、演技の途中から私はもう涙、涙で。ジワッと泣く事はあっても、あんなに涙が溢れ出たフィギュアの演技は後にも先にもあの時だけだ。あの時は彼女も会心の演技ではなかったのか、自分の演技が終えた途端に泣き出したのを憶えている。私は今でも時々このオリンピックのビデオを出して観る事がある。エレガントさはちょっとなかったのかもしれないが、それでも充分に感動できた稀有な選手だった。スルツカヤも好きだったが、エレガントと言う点で物足りなかったかも。 サーシャはジャンプはそんなに高くなかったし安定もしていなかったが、とにかく柔軟性に長けていて、ポジションが美しい事が一番のポイント。バレエジャンプもどのスパイラルもスピンも伸びきった脚、背中、どこから見ても美しかった。サーシャのコスチュームはいつも好きだったなァ。私は顔の表情をやたら強調する選手は好まない。完璧な演技で表現力も素晴らしかったとされるカタリーナ・ヴィットを私はどうも好きでなかったのは、彼女が表情を作りすぎる事にあったのかもしれない。とても巧い選手だったのだけど、何故か苦手だった。むしろプロになってからアクガ取れたような気もするので、最近のヴィットの方が好き。サーシャの場合は顔の表情も作ってはいたが、作りすぎる印象はなかった。メリハリの付け方と柔軟性が天下一品だったし、それらを伴う体全体での表現をしていたので、エレガント&ダイナミックなのである。ただ、どうしてここ一番であんなにミスばかりするのか・・・。でも、スキだけど。 私が最初に荒川静香を「アラッ、この子変わった!いい!」と思ったのは、2003年の「タイタニック」の頃からだ。それまではあまり気にしてない選手だったのが、「タイタニック」の演技を観た時から俄然注目する選手になった。もともとスケーティングの巧さには定評があったが、何か物足りなかった。だが、2003年頃から何か人を惹き込むものを持ち出したのだ。クールな感じはするけれど、その中に情熱を感じさせてくれるものがあったのだと思う。だから、世界選手権で優勝した時も、トリノで金が獲れた時も本当に嬉しかった。3-3のジャンプも跳べる。2004のワールドでは3-3-2も成功させた。トリノで3-3を跳んでたら、もっとぶっ飛んでカッコイイはずだった。柔軟性はもちろん、スケーティングは美しい。彼女もエレガント&ダイナミックの人である。 そして、浅田真央。彼女が私の最も理想のエレガント&ダイナミックの選手だ。技術面、芸術面の両方とも極めようとしている。現役選手で、そして過去の選手達の中でも群を抜いてその才能があり、それに向って努力していると思う。 多くのメディアでは、今回は特に彼女のトリプルアクセルが強調され過ぎてしまった。もちろん彼女のジャンプは高く、速く回転して私の好きなジャンプだ。トリプルアクセルは何度も言うが最高だし、もっともっと評価されるべきだと思う。男子でも難しい3Aを女子で、しかもオリンピックで3回も成功させたのだから。これは、男子における4回転とは違うと思う。男子の4回転は多くの選手が挑戦し、成功もしているけど、女子の3Aはごくごく僅かな選手しか挑戦してきていないし、成功していない。しかも20年間の間にごく僅か。それを考えると、その難易度に対しての真央ちゃんの今回の評価はもっともっとあっていいと思う。3Aが8.2点しかない現在の基礎点なら、GOEでもっと加点されて良いのではないか。それなのに、いとも簡単に減点しているジャッジがいましたね。コンビネーションジャンプの流れが悪かったとしてもあれが減点とはな~。そんなに価値がないの?それに比べてヨナ選手の3-3が2点の加点ですか・・・(絶句)。 真央ちゃんの柔軟性もコーエンに劣らない。しっかり伸びた脚、腰より充分に上がったスパイラルの何と美しい事か。ビールマンスピンの角度も良い、シットスピンも深い。私が思う柔軟性はエレガントさにも表現力にも通じると思っている。もちろんそれだけではないし、柔軟性はなくともエレガントな選手はたくさんいるし、柔軟性があってもエレガントでない選手もいる。しかし私は、少なくとも柔軟性はエレガントさと表現力に繋がると思っているから、だから必要だと考える。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.06.11 12:15:16
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