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テーマ:大好きな映画(8)
カテゴリ:日本映画
この映画の事全く知りませんでした。もしかして、結構話題になったのでしょうか? この間テレビをつけていたら偶然に観たのだけど、これがなかなか面白くって。 大学8年生の文哉は、返す当てのない借金84万円の返済期限を迎えようとしていた。そこへ、借金取りの福原から一つの提案を受ける。吉祥寺から霞ヶ関まで歩く、福原の散歩に付き合えば借金をチャラにして、おまけに100万円の報酬もくれるというのだ。怪しい話だとは思いながらも、それを引き受けた文哉と福原の散歩が始まったが… 原作は未読です。 オダギリジョーは、私がこの人を最初に「オダギリジョー」だと認識したのは、爆笑問題と一緒に出ていたバラエティ番組でした。その後のテレビドラマでも軽い男子の役だったせいもあり、彼のイメージはどちらかと言うと軽めの役どころの多い俳優。しかし、その軽めのすっとぼけた役も、シリアスな尖った役もどんなものでもこなす、今や日本の若手(もう中堅か?)俳優のトップを行く存在の一人となりました。 そのオダギリジョーが、これは前者のすっとぼけた役を披露する映画です。そこへ、若かりし頃は二枚目、好青年を演じ、年をとってもいい人の役の当たりどころの俳優三浦友和の共演。この三浦友和演じる福原、これが又、訳ありの借金取りで、長髪にちょっと派手目の風貌は何だか彼には似合ってなくて、最初は違和感がありました。しかしながら、これは2007年の映画ですが、これ以降じゃないでしょうか、三浦友和がワル役にも挑戦し始めたのは。 この映画の福原という人物はある事情があり霞ヶ関まで行こうとしているわけですが、その事情にかかわる悪人であるにもかかわらず、正直そんなに悪い人には思えません。話が進むにつれて、その事情が嘘であって欲しいと願う気持ちが出てきました。これには、本来三浦友和のワルの役は向いていないとか無理なのか、と思ってしまいがちですが、元々原作の中の福原が、ワルとは言っても憎めない人物の設定なのかな、と思いました。そういう人物と言う設定で三浦友和を起用したのか、と。原作を読んでないので、あくまでも私の想像ですが。 小泉今日子が、又わけ有りの女性で出てきて、成り行き上オダギリジョーの母親と言う設定になり、そこへ小泉の姪っ子の役で吉高由里子が登場するのですが、この二人もいいです。そして、福原の妻の同僚役で出てくる岩松了、ふせえり、松重豊の三人組がもう、おかしくって、最高です。 全体にコネタのオンパレードで、クスッとする笑いがちりばめられていて、こういうのは大好きですので楽しめました。神社の「呪い祭り」ののぼり旗は大いに受けましたし、他の登場人物もどんぴしゃの役どころです。 それと、美術さんとか衣装さんの使うテイストが凄く好き。小泉今日子の家の、一瞬ちょっとどぎつく見えがちな壁紙とか箪笥、小物類、そして小泉と吉高の衣装のポップさもかわいいです。 ナンセンスなお笑いの映画かと思えば、実はちょっと深い部分もあって、幼い頃家族を失った文哉が疑似家族の中で温かいものを感じ、その家族との別れが近づくと分かるある食べ物の登場に、ちょっとしんみりとしたりもするのです。 そして、福原と文哉の散歩は最後の霞ヶ関へ。 ラストはちょっと唐突な感じもしますが、あまり神妙にジメジメとなるよりはもしかしたらいいのかもしれません。 コネタオンパレード系が嫌いな方にはお勧めできませんが、私にとっては又いい拾い物をした、という感じの作品でした。 監督/脚本:三木聡 原作:藤田宜永 「転々」 新潮社刊 出演:オダギリジョー、三浦友和、小泉今日子、吉高由里子、岩松了、ふせえり、松重豊、岸辺一徳、石原良純 他 【新品】【DVD】転々 プレミアム・エディション/オダギリジョー 【中古】afb【古本】転々/藤田宜永 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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