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ある日どこかで

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2011.04.03
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カテゴリ:日本映画
            
            太平洋の奇跡1
               (C)2011「太平洋の奇跡」製作委員会


太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたサイパン島で、わずか47人の兵で45,000人もの米軍を巧みな戦略で翻弄し、立ち向かい、米兵らから畏敬の念をこめて「フォックス」と呼ばれた実在の大場栄陸軍大尉。大場大尉とその部隊が、1945年8月のポツダム宣言受諾以降も、その事実を知らずに粘り強く戦い続け、隊員と多くの民間人を守り抜いた大場大尉の実話を日米双方から描いた作品。


この戦争映画、竹野内豊が主演でなければおそらく観る事はなかったかもしれません。公開前、苦手なバラエティにもトーク番組にもいっぱい出て頑張ってPRしている彼を見れば、ファンなら応援せずにはいられませんでした。

捕虜になるくらいなら自から死を選ぶのを善しとした太平洋戦争。そしてサイパンでは、実際に民間人が「天皇陛下万歳!」と言いながら飛び降りたとされるバンザイクリフという崖もあります。そんな戦争に於いて、民間人にも兵士に対しても「生き抜く」「無駄死にしない」ことを説き続けた大場大尉。そこは大場氏が元地理の教師だったと言うのも一般の軍人とは違った点なのかもしれません。

米軍からフォックスと恐れられたほど、神出鬼没、巧みな戦略で米軍を翻弄させたと言われていますが、映画からはその辺はあまり感じられませんでした。しかし、2ヶ月に及ぶジャングルでの過酷な撮影が物語るように、竹野内豊の顔が痩せていくのが、実際の大場隊の戦いを垣間見たような気にさせられました。映画の撮影は2ヶ月、しかし、実際に大場隊が47名で戦ったのは512日にも及んだのですが。

            太平洋の奇跡3
               (C)2011「太平洋の奇跡」製作委員会


一匹狼の(実際には手下風の兵士がいるが)ヤクザ者の一等兵を演じる唐沢寿明は、スキンヘッドにし物凄く筋肉りゅうりゅうのなで肩に体を作り上げていて驚きました。ちょっと作りすぎではないかと思ったほどでしたが、強いインパクトを残しました。ラストがあまりにあっけなかったけど。
通訳で、大場隊を投降させる為に説得する捕虜役に阿部サダヲ。彼の最期もあっけなかった。あんな死に方では残念過ぎて仕方がありません。ただ当時では、あの山田孝之扮した軍人の様な考え方が主流だったのだろうし、だからこそ大場大尉は異色で、米軍兵の心に強く残る人物だったのでしょう。
実際の大場栄氏は寡黙で、戦後家族にも戦争中の事はあまりしゃべらなかったと、大場氏の次男が仰っていましたが、この映画の大場大尉の役を決めるに当たっても、寡黙で目で演技が出来る人、と言う事で竹野内豊が選ばれたらしいです。

最後に正式な上官からの命令で山を降りる事になった時、大場隊が軍歌を歌いながら、日章旗を掲げ、整然と米軍の前に姿を現すシーンで涙が一気に溢れ出ました。一方彼らを待ち受ける米兵たちは、気楽にタバコを吸うものもいれば、みんな談笑しています。こういうシーンで感極まってしまいます。そして、大場大尉が正式な儀式なのでしょう、軍刀を米軍のルイス大尉に差し出すシーン。その軍刀の裁き方とか、儀式自体が美しく何か荘厳さも感じさせられて、また涙。

            太平洋の奇跡2
               (C)2011「太平洋の奇跡」製作委員会


私はこの映画を3月9日に観ました。そして、3月11日の東日本大震災。あの衝撃的な大災害で被災した人たちが、家も流され、家族も失くした人たちが、一本のペットボトルをもらうのにも、1個のおにぎりをもらうのにも、静かに列を作って並んで待っている姿に胸が締め付けられる思いで、この映画のシーンを重ね合わせていました。日本人って…いい言葉が見つからないけど、何と言うか … 本当に。


映画のラスト、捕虜収容所の前で大場大尉はルイス大尉に、「私は何一つ大したことはしていません」と言うシーンがあります。先に、「巧みな戦略で米軍を翻弄させたと言われていますが、映画からはその辺はあまり感じられませんでした」と書きましたが、もしかしたら、そんなに大それた作戦とかで米軍を翻弄したとか言うのではなく、本当に自分の隊と民間人を守る為に、必死に生き抜こうとしていただけなのかもしれません。映画では派手な作りをしたくなりがちですが、実際はただ地道に生き抜く事だけを考えたのかも。今あのラストの大場大尉の言葉を思い出した時、そんな風に考えます。

大場大尉のような人がいたと言う事を知っただけでも、私には意味のある映画でした。
人望が厚く、「この人について行こう」と思わせた大場大尉。
どんな人物がリーダーかって、大切な事ですね。それを考えると、今の我国のリーダーについて行こうと言う気になるか。なりませんね、私は。


2011年
監督:平山秀幸
脚本:西岡琢也、グレゴリー・マルケット、チェリン・グラック
原作:『タッポーチョ「敵ながら天晴れ」大場隊の勇戦512日』  ドン・ジョーンズ
出演:竹野内 豊、ショーン・マッゴーワン、唐沢敏明、井上真央、山田孝之、中嶋朋子、阿部サダヲ、岡田義徳、板尾創路、光石 研、ベンガル、酒井敏也  他



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Last updated  2011.04.08 22:09:06
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