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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:イギリス映画
ヒッチコックが故郷ロンドンに戻って作った作品。 ロンドン、テムズ河岸で、ネクタイ絞殺死体が浮かび上がり大騒ぎとなっていた。元空軍の英雄リチャードは働いていた酒場をクビになり、やけ気味に友人ラスクの元を訪れる。その後、結婚相談所を経営している元妻の所にやってきて愚痴をこぼしていた。翌日この相談所の常連で変人のロビンソンがやってきて元妻をネクタイで絞殺。直後にそこを訪れたリチャードが秘書の証言で犯人として追われる事に… 犯人は最初の方で判ってしまいますが、追われるリチャードがどういう風に逃げるのか、そして逃げる過程で彼に関わる人たちの様子や心境の変化を上手く描いています。 ロビンソンと言うのは偽名ですが、彼が元妻を絞殺する様子はかなりグロテスク。そこまで見せるか、と言うほどリアルに描いています。ここでしつこいくらいに殺人の描写をしておいて、その後もう一人の殺人の様子は見せずに、死んでいる事だけを映し出したのはさすがです。 狂ったネクタイ絞殺魔は普段は実にいい人に見えるのが、一転して殺人鬼と変化する時の顔の恐ろしい事と言ったら。でも、そんな彼にも落ち度がありそこから土がついていくのですが、その証拠を隠滅する為に必死になる様子にもハラハラさせられます。 そして、ヒッチコックの作品のユーモラスな部分も刑事とその妻との場面で活かされていて、そこでつかの間のほっこり気分。 ハリウッドでは大スターたちを存分に使って作品を作っていましたが、本作はそうではないものの私は充分に楽しめました。 FRENZY 1972年 イギリス/アメリカ 監督:アルフレッド・ヒッチコック 脚本:アンソニー・シュイファー 原作:アーサー・ラバーン 出演:ジョン・フィンチ、バリー・フォスター、アレック・マッコーエン、バーバラ・リー・ハント、ジーン・マーシュ 他 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.04.13 11:14:23
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