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テーマ:おすすめ映画(4070)
カテゴリ:フランス映画
6歳の息子を手に掛けて15年の刑期を終えたジュリエットは、妹のレアと再会する。ジュリエットが服役して以来、両親から姉の存在を忘れろと刷り込まれてきたレアは、失われた年月を取り戻そうと決意していた。ジュリエットはレアの家に身を寄せ、レアの夫リュックと病気で口が利けなくなったレアの義父、そしてベトナムから迎え入れた養女2人と一緒に暮らすことになった。ジュリエットは、罪を犯した理由を裁判でも決して語らなかった。当時の夫は彼女の逮捕と同時に離婚した。ジュリエットに罪を犯した理由をいつまでも聞かないことでリュックはレアを責め、ジュリエットも心を閉ざしたままだった。しかし、養女のプチ・リスはジュリエットになついていき、次第にジュリエットの頑なな心も解けていく。 静かな展開ながら、心にじわ~っと染み込むような作品でした。 年齢の離れた姉妹の姉が犯した罪で、その後姉の事を忘れるように両親から教え込まれた妹。表向きはそうしていても心は忘れるはずもない。認知症になった母の他は妹だけが唯一の身内。妹は一生懸命空白の時間を埋めようとするけど姉の心はなかなか開かない。15年間も服役していれば、出所後すぐにいろんな事に対応するのは無理だと思います。その辺の姉の心情と、それを受ける妹の気持ちをとても丁寧に描いていました。彼ら2人の心情だけでなく、妹レアの夫や、他の登場人物とジュリエットの関わりあい方も多くの人物が出ているにも関わらず、わかりやすく丁寧な描き方です。 ラストに明かされる息子殺害の理由は途中で何となくわかりますが、それで15年の服役は長いのではないか、と言う疑問を持ちます。ジュリエットが裁判で具体的な理由を言わなかった、そこまでして言いたくなかったのか。そこがちょっと引っかかりはしましたが、その事自体よりもその後の人間模様を一番描きたかったのでしょうから、それはそんなに問題でもないかもしれません。だから、本当にラストに理由がわかるのでしょう。ただ、もっと充分に納得できる理由が欲しかったというのが本音ですが。 小説家フィリップ・クローデルのオリジナル脚本で、監督デビュー作品だそうですが、デビュー作でこれだけ良質の作品とは、今後が楽しみです。 IL Y A LONGTEMS QUE JE T’AIME I’VE LOE YOU SO LONG 2008年 フランス 監督/脚本:フィリップ・クローデル 出演:クリスティン・スコット・トーマス、エルザ・ジルベルスタイン、セルジュ・アザナヴィシウス、ロラン・グレヴィル 他 【25%OFF】[DVD] ずっとあなたを愛してる お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.02.19 17:09:05
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