庭がないのに薔薇育て

暑くも無く、寒くも無い、湿度も低い気持ちの良い一日。

しかし、気分は最低最悪。

何をする気にもなれず、ただただ、ため息ばかりが出てきます。


フレグラントアプリコット posted by (C)ちまのん

会社の台所で、兄と自分のための昼食を作っている私の耳に、

信じられないニュースが聞こえてきたのは、お昼の事です。

作家の栗本薫さんが、昨夜、亡くなったとのニュース

食事の仕度の手を止めて、テレビ画面を食い入るように眺めましたが、

やはり、あの栗本薫さんの、訃報です。

私は、呆然として、しばらくは立ち上がることすら出来ませんでした。


フレグラントアプリコット posted by (C)ちまのん

長編（ヒロイック）ファンタジーのグインサーガの作者であり、

推理小説、時代小説、評論著書も多数ある、

彼女（栗本薫、中島梓）の作品を読むのが

生活のなかでの、私の一番の楽しみになってから、

もう何年が、経っているのでしょう…。

初めて彼女の作品に触れたのは、中学３年の時。

御茶ノ水の書泉ブックグランデに平積みにされた彼女の著書

グインサーガの表紙の絵に惹かれ、

手に取って見たのが最初です。

当時、１０巻まで刊行されていたグインサーガを

すぐに全巻購入して、むさぼるように呼んだ記憶が

今でも、昨日の事のように鮮やかに蘇ります。


フレグラントアプリコット posted by (C)ちまのん

当時、私の一ヶ月の小遣いは３千円。

その全てを使っても足りなかった、文庫本１０冊の代金を

まったく、躊躇する事無く支払えるほど、

その当時の私は、その物語の魅力に引き込まれました。

以来３０年間、一冊も欠かす事無く、

また、ほぼ発売日当日に購入して、一気に読破して、

すぐに続きを読みたくなる…。その繰り返し…。

そんな風に３０年間、彼女の作品を楽しみに過ごしてきた私にとって、

彼女の死と言うものは、簡単に受け入れられるものではありません。


フレグラントアプリコット posted by (C)ちまのん

もちろん、彼女がすい臓のがんで、闘病中であり、

あまり病状は思わしくないとの情報は、とうに得ていましたが、

隔月ごとに刊行されるグインサーガの新刊に、

まさか、死と言う連想は、まったくしてもいなかったのが現状です。


ゲルベダグマールハストラップ posted by (C)ちまのん

グインサーガだけでなく、その他のシリーズ作品も

もう２度と、新作を読む事は出来ないのですね

特に執筆途中のグインサーガ、先が気になり仕方ありません。

こんな事なら、始めから読まない方が幸せだった？

完結を楽しみに読み続けていた、私の３０年間は何？

冥福なんて祈れない。

お願いだから戻ってきて、続きを聞かせて欲しいです。


ゲルベダグマールハストラップ posted by (C)ちまのん

栗本薫さん

あなたの著書を楽しみに過ごした日々は忘れません。

たくさんの楽しい作品をありがとう。

私は、いつまでもあなたの著書のファンであり続けます。


ゲルベダグマールハストラップ posted by (C)ちまのん

写真のバラは、我が家の春の開花４５番と４６番目の薔薇。

フレグラントアプリコットと、ゲルベダグマールハストラップ。

どちらも強い香りを持つバラです。