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2012.05.29
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カテゴリ:カテゴリ未分類
               

 

               先週の通院の帰り、耐え忍んだ数本のヤグルマソウを見ようと思い、

               家の前へ廻ると、近所の花好きの90歳のお婆ちゃんが公園にいて、

               声をかけられる。

               綺麗な赤いベストを着ていることが多いおばあちゃん。

               私はお母さんと呼んでいる。

 

               お母さんの目の良さには、いつも驚く。

               木々の間からだし、距離もあったので、私はまったくお婆ちゃんに気づかなかった。

               もっと遠くからでも私を見つけて手を振ってくれたりする。

 

               この日は、椅子に座って少しお喋り。

               最近公園で私の姿を見ないので、引っ越しちゃったのかなあと、

               公園へ出るといつも心配してくれているそうだ。

               心臓が悪くて、入退院を繰り返しているけど、杖も必要なく、

               自分の足で歩いて外に出られて何よりだ。

               でも、昔のようには行かないと、老いを嘆く。

               私でさえそうだもの、お母さんはなおさらだろうな。

 

               去年早くにこぼれ種から発芽したヤグルマソウは全部抜かれてしまい、

               その後で気温が下がってから生えたものなので成長は芳しくないものの、

               青とピンクの花がそろっていた。

               種を結ぶかどうかは株自体が小さく未熟なので、う~ん難しいかな…。

               それでも、よく咲いてくれたものだ。

               今年が…見納めかもしれない。

 

               実はこのお母さんが、もう花が咲き始めた株を抜いて、

               自分が花を植えているほうへ移植することがあるのよね。

               でもヤグルマソウは、そんなに育ってからの移植は無理で、

               まず根付きはしないから結局枯らしてまうんだけど。

               お母さんはそれを説明しても、その時は理解してくれるんだけど、

               翌年また同じことをするので、こりゃもう仕方ないなあという感じだった。

 

               なのでお母さんの場所へ直接種を蒔いてあげたこともあって、

               それが矢車草だから抜かないでねと、発芽した苗を教えてあげるんだけど…。

               やっぱり忘れて雑草だと思って抜いちゃうので、これも結局あきらめた。

               でも、このお母さんとのこんなやり取りが、私はなんだか嫌いじゃない。

 

               ここへヤグルマソウを蒔くのを知っていて、毎年何本も抜いていかれたり、

               株が良く育ち、色も良い花がついたなあと思ったら、根こそぎ引き抜いて、

               それをわざわざその場所へ放置する人間もいる。

               顔の見えないその悪意の主と比べたら、お母さんは悪意なんか微塵も無いもの。

 

               これを書きながら、ああこの話題は以前も書いたなぁと思う。

               自覚しながら同じことを書くのは、ずいぶんあるな。

 

               ここ3ヶ月くらい、通院が月に1回になっている。

               症状が落ち着いているからということになるし、薬代が多少安い。

 

               「最近どうですか?」

               「ええ、特に変わりは…」

               「睡眠はとれてますか?」

               「…まあまあです」

               「じゃいつものお薬出しときますね」

 

               これで診察は終りだ。

 

               いろいろあるけど、話さないだけなんだ。

               あなたがすぐ薬の変更を言い出すから。

               いつまでも、いつまでも比べてごめんね、Q作くん。

               Dr. Aは、症状が落ち着いてる時でも、通院期間を一ヶ月にはしなかった。

               落ち着いているから1ヵ月でもいいのでは?と私が言っても。

               私はなぜか通院の後で体調が崩れることが多かったので、

               その辺りを慎重に心配してくれていたのかもしれない。

 

               胸のうちを吐き出すだけで、楽になることもあるじゃん…。

               Dr. AはカルテをめくってはDr.の方から会話を繋げて、

               引き出してくれたりしたものだった。

               「最近〇〇はどうですか?」

               「もうすぐ結さんが好きな春ですね」

               「あ、明日お誕生日ですね…」

                とかね…。

 

               今ならたぶんカルテをめくりながらこう言うだろう。

               「最近、ちょっと体重が増えました…か」

               そしてそのことに関する指導をしてくれるだろう。

               わかっているのだからそれを実行すればいいわけなんだけど、

               Q作くん、あなたが主治医になった当時から始まった禁煙。

               自分も禁煙で太ったと言うけど、内科医なんだから私に指導するべきことは?

 

               思えば、Q作くんになってから一度も本格的な鬱に入ってない。

               なので彼は、私の本当の鬱症状を知らない。

               躁の症状が出る前の、私の平素のテンションも知らないので、

               コントロールはしているけど、躁が多少入っている私が普通なのだと

               認識していると思う。

 

               まあね、落ち着いているんだから、それでいいんですよ。

               それもわかってるんだな、自分で。

               通院のたびに、単純にDr. Aに逢いたくなって仕方がないだけだって。

               鬱のときでも、Dr. Aという良薬に逢えるってだけで、

               身体を引きずって行ったほどの人だもの。

 

               なんとなく私のどこかに、もうそう簡単に鬱にはなれないぞという、

               そんな決心のようなものがある。

               もしもそれが、鬱を抑えているなんてことがあるのだとしたら、

               Q作くんも良薬ってことなんだな。

               実際には、そんな決心をしても鬱になるから病気なわけだけど…。

 

               はあ…決して悪い人間じゃないし、嫌いじゃないのにQ作くん…。

               ごめんね、いかんせん前の主治医がスーパーでスペシャルだったもので。

               しみじみと逢いたいなあ…と思い出すと、堤防がちょっと決壊する人なんて、

               そんなにいない。

               まあ、ここのところ少し地盤が緩んでいるもので…。

 

               最後の診察で握手してもらった…。

               心から信頼していたので、涙、ちょちょぎれたもの。

               思えばあの日から、私の心の中にDr. Aという常備薬を置いたんだ。

 

 

ヤニーは、「Feel」というニューエイジ系のオムニバスCDで知った。

赤いシャツを着た人の歌を聴いていると、

ジプシー・キングスを聴きたくなる。

何語なんだろう。

 

Dr. A、今日は貴方が、Rainmakerだ…。

 

★ ヤニー/Rainmaker ★






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最終更新日  2018.01.18 23:09:55
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