午後7時少し前、突然聞こえてきたニイニイゼミの声で思い出した。 今年は本日が蝉の初鳴き、しかもここへ住んでン~十年だけど、そのセミが 初鳴きだったのは今年が初めてだ。 二番蝉...とは言わないかもしれないけど、それが夕方のニイニイゼミだった。 今はどうか知らないけれど田舎では、毎年鳴き始めの蝉の種類の順番が 違ったことなどなかったし、午前中に聞こえたクマゼミの初鳴きは、軽いショック。 シャーシャーシャー、ワシワシワシ...あの特大の鳴き声は、どことなく横山の やっさん風だなあ…。 ニイニイゼミは「岩にしみいる」という芭蕉の表現が似合うけど、なんだか 岩がひび割れそうだ。
ネットでクマゼミの分布図を見ていたら、サイドバーに「ヤマモモのみっけ報告」 なるものを見つけ、記事にしようと思って忘れていたことを思い出した。 今月2日に久々大型スーパーへ行った時のこと。 銀行の帰りだったので、たまたまいつもとは別な道を通り、スーパーの駐車場の わきを歩いていた。 ふと、何やら赤い実が目に入り、よく見たらヤマモモで、駐車場の周りに 植えてある。 それはそれは、たわわに実っていたので驚いた。
もうずいぶん前に出来たスーパーだけど、ヤマモモがあるとは知らなかった。 そもそも私がヤマモモの実を初めて見たのは、田舎ではなくて5年前住民運動に 参加している時、仲間がどこかからか採ってきた時だった。 こんな場所なので、自然に生えているわけではない。 そもそも自然自体が皆無の場所なので。
大型スーパーのぐるりは、車の通りが多い道路。 排気ガスにまみれたヤマモモを採る人など、そうそういないと思うけれど、 もったいないなあとも思う。 ヤマモモを見上げ、そんな環境の中でよく実っていることに、うれしい思いで 思わず立ち止まったのだった。
『うわ~すごい~いっぱいだ~❤』なんて心で言いながらながめた。 駐車場が歩道よりだいぶ高くなっているので、目線が木の根元の草むらへ…。 あ!あれはニワゼキショウだ!母が昔伊豆で、綺麗だからとどこかからか採ってきて、 夫の実家の前に植えたら、増えたっけなあ…なんてことを思い出していた。
一本だけかな?と、キョロキョロしていたら、おおっ!あれはっ! たぶん栄養があまりに乏しいんだろう。 細くて小さな小さなネジバナが一本生えているではないか…。 何とも弱々しい姿だったし、どちらもたったの1株というのが切ないが、 この地で初めて見たので、なんだかとてもうれしかった。
植物の健気さがもたらす、ささやかな至福。 デジカメがあったらなあ…と、つくづく思った久々の出来事だった。
★ Owl City & Carly Rae Jepsen - Good Time ★
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